[インタビュー]

テスト自動化の真価は、効率化の先にある「継続的な品質改善サイクル」─Tricentis

Tricentis Japan 代表執行役 成塚歩氏

2025年8月8日(金)齋藤 公二(インサイト合同会社 代表)

アプリケーションの品質向上やレガシーシステムのモダナイゼーションにおいて、ソフトウェアテストは欠かせない工程だ。ただし近年、ソフトウェア開発の領域全般で自動化が進む中で、テストは「傍系の取り組み」と見なされることも多く、手動でのテストに多くの人員とコストが費やされているケースがままある。そうした中で、テスト自動化を推進し、継続的な品質向上の重要性を訴えるのが、テスト自動化のグローバルリーダーの1社、米Tricentis(トライセンティス)だ。日本法人のTricentis Japan 代表執行役の成塚歩氏に話を聞いた。

ウィーンで創業した、テスト自動化のパイオニア企業

──Tricentis(トライセンティス)の業容を教えてください。

Tricentis Japan 代表執行役 成塚歩氏写真1):Tricentisは2007年にオーストリア・ウィーンで創業したソフトウェアテスト自動化のパイオニア企業です。本社機能を米テキサス州オースティンに置いて、グローバルに事業を展開しています。エンタープライズ環境向けやアジャイル開発環境向けテスト、テストシナリオ管理、テストケース作成、自動実行、負荷テストなど、ソフトウェアテスト全般を扱っています。

 2020年には独SAPとグローバルでのパートナーシップを結び、SAPと一緒にエンタープライズ向けにさまざまな支援を行っています。日本法人は2024年2月に設立されました。顧客はグローバルで約3000社おり、各種の市場評価でテスト自動化ソリューションのリーダー企業に位置します。

写真1:Tricentis Japan 代表執行役の成塚歩氏

──改めて、テスト自動化を推進することの価値を教えてください。

 1つはやはりソフトウェア品質の向上です。テストは自動化して数多く繰り返すことで品質改善につながります。また、副次的な価値として、テスト時間を削減して製品のリリースタイミングを早める効果があります。グローバル平均でリリーススピードを10倍に、コストを2分の1にすることを謳っています。

 例えば、テクノロジーアライアンスを組むアトラシアン(Atlassian)の「Jira」と連携し、シフトレフト(Shift-Left、注1)のアプローチを支援しています。また、エンタープライズ向けでも、米アクセンチュア(Accenture)、米IBM、仏キャップジェミニ(Capgemini)といったグローバルベンダーとパートナーシップを結び、さまざまなテスト支援を行っています。

注1:シフトレフト(Shift Left)とは、ソフトウェア開発プロセスにおいて、テストやセキュリティチェック、品質保証などの活動を開発プロセスの早期段階(左側)に移行させること。結果として開発プロセス全体の期間短縮につながる。

●Next:テストをめぐる課題とTricentisのアプローチ

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