[事例ニュース]

医療法人の生和会グループ、患者との会話からAIがカルテを自動生成、検証でカルテ作成時間を平均66%短縮

関西エリアの9病院で運用を開始、全国21病院に展開へ

2025年12月24日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三

医療法人社団 生和会グループ(本部:山口県周南(しゅうなん)市)は、患者との会話内容から診療録(カルテ)を自動作成するAIカルテクラウドサービス「medimo」を、全国にあるグループ全21病院に導入する。検証でカルテの作成時間を平均66%短縮する効果を得た後、2025年10月から関西エリアの9病院(計180アカウント)で運用を開始している。medimoが2025年12月23日に発表した。

 医療法人社団 生和会グループは、中国地方(山口県、広島県)、関西地方、東京都を中心に、医療と介護の両面から地域包括ケアに携わる医療・福祉グループである。病院と介護施設/グループホームを連携させて運営している。

 同グループは、患者との会話内容からAIが診療録(カルテ)を自動作成するAIカルテクラウドサービス「medimo」(画面1)をグループの21病院に導入する。導入にあたって、3エリア(関西・中国・関東)にDX担当者を配置し、現場への定着を支援する。

画面1:AIカルテクラウドサービス「medimo」の画面例(出典:medimo)
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 midimoは、診察時の医師と患者の会話を音声認識技術で文字起こしを行い、その内容をAIが、カルテ/医療文書の標準的な形式であるSOAP(主観的情報、客観的情報、評価、計画)形式で要約する。生成・要約されたカルテデータを、既存の電子カルテシステムに転記・共有できる。

 導入前に、MR&S SDX研究所(大阪府堺市)、彩都リハビリテーション病院(大阪府箕面市)、川西リハビリテーション病院(兵庫県川西市)で検証を実施した。検証では、対象となったセラピスト全員のカルテの作成時間が短くなり、平均約66%の時間短縮効果が得られ、ここからセラピストの間接業務が3カ月で合計約2000時間以上削減できることを確認した。合わせて、セラピスト以外の職種(医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなど)の業務に適用できる見通しが立った。

 検証の成果を受けて、2025年10月から関西地区9病院(計180アカウント)で運用を開始。今後、2026年1月末を目処に、中国地区7病院での導入を完了させる。さらに、関東エリアを含む全国の生和会グループ病院に展開を進める。

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