[「人間中心のAI」で企業変革を加速する─生成AIの進化・活用のこれから]

人間同士の絆を深めるAI─若手が経営層を導く「AIメンタリング」の成果:第8回

2026年2月4日(水)荻野 綱重(博報堂DYホールディングス/テクノロジーR&D戦略室・BPR推進グループ GM)

AI技術は日々進化を遂げ、社会実装が現実の段階に入っているが、多くの企業ではまだ部分的な活用にとどまり、AIに対する脅威や不安のマインドが依然として存在する。あるべき姿は「人間中心のAI活用」であり、その推進にあたって何をなすべきか。本連載では、具体的なアプローチを交えながら、企業がAIとどのように向き合い、活用し、未来の成長に役立てていくかを考察していく。第8回では、「AIメンタリング」制度を通じて見えてきた、AIと人間の関係性、そして人間同士の関係性について解説する。

「心理的な壁」が生み出すAI活用の世代間ギャップ

 企業におけるAI活用は急速に進展しているが、その浸透度には世代間で差が見られる。デジタルネイティブである若手層は、経験こそ浅いものの新技術を抵抗なく業務に取り入れる。対して、十分に経験を積み、これまで培った知見を生かして業務を遂行できるベテラン層。両者では業務へのAIの取り入れ方にも違いがある(図1)。

 AIをうまく活用し成果を上げるためには、業務知識や経験が必要だ。業務知識と経験を豊富に有する50代以上の層がAIを使いこなせれば、若手よりも高い業務インパクトを生み出せる可能性がある。ベテラン層のAI活用率が低い現状は、当社を含めて、多くの企業における課題と言えるだろう。

 ベテラン層のAI活用率が低い理由は、技術習熟の問題だけではなく、AIに対する「心理的な壁」も大きいのではないだろうか。AIに対する不安や抵抗感が、経験豊富な人材のAI活用を阻害しており、生産性向上を目指す組織にとって機会損失となっていると推察される。このような心理的な壁に対しては、AIに関する技術研修やツールの導入だけでは解決できないのが現状だ。

図1:AIの活用率は世代により大きく異なる(出典:Human-Centered AI Institute)
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●Next:若手から経営層にAIナレッジを伝達す「AI逆メンタリング」の成果

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