[調査・レポート]

2024年の国内クラウド市場は前年比29.2%成長、5年後には規模が倍増─IDC

レガシーシステムやスクラッチ開発システムの移行が本格化

2025年8月20日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三

IDC Japanは2025年8月19日、国内クラウド市場の予測を発表した。2024年の同市場は、売上額ベースで前年比29.2%増の9兆7084億円だった。2024年~2029年までの年間平均成長率(CAGR)は14.6%で、2029年の市場規模は2024年比で約2倍の19兆1965億円に達すると見ている。

 IDC Japanは、国内クラウド市場の予測を発表した。2024年の同市場は、売上額ベースで前年比29.2%増の9兆7084億円だった。2024年~2029年までの年間平均成長率(CAGR)は14.6%で、2029年の市場規模は2024年比で約2倍の19兆1965億円に達すると見ている(図1)。

図1:国内におけるクラウド市場の予測(2024~2029年)。HPC:事業者がIT資産を所有するホステッドプライベートクラウド、EPC:ユーザー企業がIT資産を所有するエンタープライズプライベートクラウド(出典:IDC Japan)
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 IDCによると、2024年の同市場は、Webシステムやアプリケーションパッケージなどクラウド移行が容易なシステム移行プロジェクトはピークを過ぎた一方で、レガシーシステムやスクラッチ開発システムの移行が本格化。急拡大するAI需要に応えるため、サービスプロバイダーによる大型投資も見られたという。

 「現在、ユーザー企業におけるクラウドの導入と利用は、アプリケーションとワークロードのシステム特性を基準にクラウドを選ぶ適材適所の方針で進んでいる。こうした中、今後の市場成長を牽引する配備モデルはパブリッククラウドになる。パブリッククラウドは、生成AIなど新機能の実装が早く、企業の戦略に与える影響が大きい」(同社)

 他方で、プライベートクラウドも高い成長を継続すると見ている。「プライベートクラウドは過去資産の継承性と柔軟性にすぐれており、基幹系システムの移行先として導入が進んだ。この傾向は今後も変わらないが、サイロ型の導入からハイブリッドクラウドの一部として利用が進む」(IDC)。また、ホステッドプライベートクラウド(HPC)は、データ主権や運用主権を含むデジタル主権を実現するクラウド環境(ソブリンクラウド)へと発展しているという。

 「現在、生成AIの発展に促されるように、企業のデジタルビジネスに対する関心が高まっている。また、クラウドがデジタルビジネスを支える基盤であるとの認識も浸透した。一方、デジタルビジネスを実践するためには、企業はガバナンスを強化する必要がある」(IDC)

 今回の発表は、同社のレポート「国内クラウド市場予測、2025年~2029年」に基づく。同レポートは、国内クラウド市場の概況・動向を分析し、配備モデル/セグメント別に2025年~2029年の市場予測を示している。

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