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協和キリン高崎工場、IoT重量計で培地などの在庫を自動管理、過剰在庫と廃棄ロスを解消

現場にある物品の実在庫をリアルタイムに把握

2026年1月6日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

協和キリン(本社:東京都千代田区)は、IoT重量計を用いた在庫管理システムを導入し、バイオ医薬品生産拠点の高崎工場で運用を開始した。エスマットの在庫管理クラウドサービス「SmartMat Cloud」を採用した。製薬試験において欠品リスクが大きい培地(ばいち)は過剰在庫を抱えがちで、使用期限切れによる廃棄が常態化していた問題を改善することで、年間最大2000万円相当の廃棄ロス削減を見込む。エスマットが2026年1月7日に発表した。

 協和キリンは、バイオテクノロジー、特に抗体医薬に強みを持つキリンホールディングスグループの大手製薬会社である。腎疾患、がん、免疫・アレルギー、中枢神経、骨・ミネラル領域などのアンメットメディカルニーズに応える創薬研究開発に取り組んでいる。

 同社のバイオ医薬品の生産拠点の1つである高崎工場(群馬県高崎市)では、品質管理業務に課題を抱えていた。製薬などの試験に必要な培地(ばいち)注1)や試薬などの在庫管理を試験担当者が兼務しており、本来の業務に集中しづらい環境が続いていた。

注1:培地は、微生物や細胞、植物組織などの生育・増殖のために、栄養素や成長因子などを加えて人工的に作られた栄養豊かな環境のこと。培養基とも言う。寒天などで固めた固体培地や栄養素を含んだ水溶液の液体培地(培養液)などがある。

 例えば、棚卸作業は2週間に1回から月に1回と頻繁に行っており、目視で数量確認して紙に記録するアナログな手法をとっていた。試験室に入る際は、白衣への着替えや保護メガネの装着が必要で、在庫を確認するだけでも一定の時間と手間がかかっていたという(図1)。

図1:協和キリン高崎工場が抱えていた在庫管理の課題と、IoT重量計を用いた在庫管理システムの導入効果(出典:エスマット)
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 また、業務内容上、試験に使用するチップや培地などは欠品のリスクが大きく、1つでも欠けると試験そのものが停止し、製品の出荷遅延、患者への薬の供給遅延につながってしまう。そのため、過剰に在庫を持つ傾向があり、使用期限切れによる廃棄が常態化。その結果、年間で最大約2000万円相当の廃棄ロスが発生していた可能性があるという。

 協和キリンは、こうした「在庫管理に対する不安」や「欠品リスク防止の必要性」といった課題を解決するため、新たな在庫管理システムの導入を決定。コストをかけずに適正在庫で管理できる仕組みとして、エスマットが提供する、IoT重量計を用いた在庫管理クラウドサービス「SmartMat Cloud」を導入した。

 写真1は、高崎工場で利用しているIoT重量計である。重量計測によって、チップや培地など現場にある物品の実在庫をリアルタイムに把握できる点と、既存の棚や運用を大きく変更することなくIoT重量計を置くだけで利用を始められる点を評価した。

写真1:協和キリン高崎工場で利用しているIoT重量計(出典:エスマット)
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 協和キリンによると、システムの検討当初はRFIDを用いた仕組みも候補に挙がったという。しかし、当時は管理対象となる物品の範囲が明確に定まっていなかったこともあり、すべての対象物品にタグを付与するRFIDは初期費や運用コストを含めるとオーバースペックであると判断した。対して、SmartMat CloudのIoT重量計は、少数台から試験的に導入できる。まずは20台規模でテスト導入し、現在は180台規模まで拡大して運用している。

 SmartMat Cloudでは培地の在庫管理を中心に利用している。培地は試験に不可欠な資材である一方、使用期限が比較的短くて在庫管理が難しいからだという。現在はこれに加えて、ラップなど共通備品の一部についても管理を開始した。

 協和キリンは今後、試験室内のその他の消耗品や複数部署で共通利用する資材など、対象品目を段階的に拡大していく計画である。全台設置完了後の試算で、棚卸作業だけで月あたり約5時間の削減と、上述の最大約2000万円相当の廃棄ロス削減を見込んでいる。

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