[事例ニュース]

JCHO大阪病院、退院サマリー作成と看護申し送りの要点整理に生成AIを活用

富士通Japan、フォーティエンスコンサルティング、日本マイクロソフトと共同で推進

2026年2月19日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院(大阪府大阪市福島区)は2026年2月19日、退院サマリー作成と看護申し送りの要点整理に生成AIを活用する取り組みについて発表した。富士通Japan、フォーティエンスコンサルティング、日本マイクロソフトと共にプロジェクトを推進する。富士通Japanの生成AIサービスを利用したシステムを構築し、同年6月の運用開始に向けて院内ガイドラインの整備や情報基盤、運用ガバナンスを整備する。

 独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO、ジェイコー)大阪病院は、2014年に社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院のグループが統合して設立された病院。急性期医療を中心に、救急、災害、周産期医療など、地域が必要とする総合的な医療・介護サービスを提供している。

 同病院は2024年11月から、会議の議事録作成や、RAG(検索拡張生成)を活用した職員向けチャットボットシステムなど、診療領域を除いた業務に生成AIを適用してきた。今回、生成AIの適用を診療領域に拡大するプロジェクトを、富士通Japan、フォーティエンスコンサルティング、日本マイクロソフトと共に開始した(写真1)。

 診療領域に生成AIを適用する取り組みとして、年間退院サマリー約1万6000件の作成を生成AIで支援する。富士通Japanの医療文章作成支援サービスを活用する。加えて、看護申し送り業務に必要な要点整理に生成AIを活用する。

 これに合わせて大阪病院は、医療情報の機密性を踏まえ、データや生成AIの出力結果の取り扱いに関する運用ルールを整備し、法令・倫理面に配慮した生成AIの利活用における運用ガバナンスを体系化する。

 また、医師や看護師に加え、事務部門など複数職種のメンバーが参加し、医療現場での生成AIの利活用を促進する「DXアンバサダー(院内推進リーダー)」を設置する。課題の把握からユースケースの検証、生成AIの利活用支援までを一体的に推進する。

 今後、取り組みの知見を体系化し、JCHO管轄の他の病院・医療機関などに展開する。大阪病院は、今回の取り組みを通じて生成AIの活用がもたらす働き方の改善状況をモニタリングし、診療領域での生成AI実装ノウハウを他の病院に横展開できるプログラムを立案するとしている。

写真1:医師や看護師の業務に生成AIを活用する体制構築を目的とした協定の調印式。写真左から、富士通Japan ヘルスケア事業本部長 桑原裕哉氏、大阪病院 西田俊朗院長、日本マイクロソフト ヘルスケア統括本部 統括本部長 清水教弘氏、フォーティエンスコンサルティング ソーシャルバリュークリエイション本部長 重信卓哉氏(出典:独立行政法人地域医療機能推進機構大阪病院、富士通Japan、フォーティエンスコンサルティング)
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