[市場動向]
富士通、既存システムの改修をAIで自動化する取り組み「Takane-Driven Initiative」を開始
2026年2月17日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
富士通は2026年2月17日、既存システムの改修を生成AIで自動化する取り組み「Takane-Driven Initiative」を発表した。まずは、富士通Japanが提供する医療・行政分野の業務ソフトウェア67個を対象に、法改正にともなう改修を自動化する。同年1月から、2026年診療報酬改定にともなう改修を開始した。実証実験では、2024年の法改正にともなう改修に要した時間が3人月から4時間へと短くなったとしている。
富士通は、既存システムの改修を生成AIで自動化する取り組み「Takane-Driven Initiative」を開始した(図1)。まずは、富士通Japanが提供する医療分野30種、行政分野37種の業務パッケージソフトウェア(67種で1億5000万ステップ)を対象に、法改正にともなう改修を自動化する。
図1:既存システムの改修を生成AIで自動化する取り組み「Takane-Driven Initiative」の概要(出典:富士通、富士通Japan)拡大画像表示
第1弾として、2026年診療報酬改定にともなう改修を2026年1月に開始済み。具体的な改修のプロセスは、法改正の法令文書を指定してコマンドを実行するだけである。法令文書をAIが読み取り、既存パッケージソフトウェアのソースコードと設計書をもとに改修する(図2)。
図2:法令文書を読み取って法改正に必要な設計変更を自動で実施する(出典:富士通、富士通Japan)拡大画像表示
実証実験では、2024年度の法改正(診療報酬改定の法令文書は769ページ)にともなうソフトウェアの改修に適用した。約300件の変更案件のうち1案件について、従来のソフトウェア開発手法で3人月(3人×1カ月に相当する仕事量)を要していた改修期間が4時間に短縮できた。
67種のパッケージソフトウェアの改修については、これらを導入済みのユーザー企業に対し、法制度の改定を反映したアップデートパッチを提供する(図3)。ユーザーは、これまでよりも早期かつ頻ぱんにアップデートパッチを受け取れるようになるので、システム改修を準備しやすくなる。
図3:第1弾として改修の対象とする、医療分野30種、行政分野37種の業務パッケージソフトウェア(出典:富士通、富士通Japan)拡大画像表示
ユーザーごとにカスタマイズして導入した部分についての改修は、現時点では対象外だが、今後はこれら個別のシステム構築案件についても改修の対象とする予定である。また、2026年度中に、医療・行政分野だけでなく、金融、製造、流通、公共などの分野にも範囲を広げる。
図4:AIが出力する設計品質を高めるための多層チェック機構(出典:富士通、富士通Japan)拡大画像表示
改修の自動化にあたり、AIが出力する設計の品質を実務で使えるレベルに引き上げる工夫も施した(図4)。設計後、曖昧さなどをチェックして、不備があれば差し戻す。設計上の作法やルールも適用する。こうした多層の制御によって設計を繰り返すことで品質を上げる。「ベテランSEの思考方法を落とし込んだ」(富士通Japan 特定プロジェクト対策本部 本部長の國分出氏、写真1)としている。
写真1:富士通 AI戦略・ビジネス開発本部 本部長の岡田英人氏(写真左)と、富士通Japan 特定プロジェクト対策本部 本部長の國分出氏(写真右)拡大画像表示
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