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JPX総研、証券事務を効率化する「共通データ基盤」を構築へ、2027年初頭にベータ版

市場関係者との共創を掲げ、証券業界全体のBPRを推進

2026年2月13日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

JPX総研は2026年2月12日、証券会社のバックオフィス業務の効率化を支援する「共通データ基盤」の構築への検討を開始したと発表した。日本取引所グループ(JPX)が保有する上場企業情報や取引規制情報などを集約し、自動処理可能なデータ形式で配信する。配信方式については、API経由やクラウドDWH「Snowflake」経由など複数の方式を検討するという。2027年初頭を目途にベータ環境を提供し、同年春頃の正式サービス開始を目指す。

 JPX総研は、証券会社のバックオフィス業務の効率化を支援する「共通データ基盤」の構築への検討を開始した。2027年初頭を目途にベータ環境を提供し、同年春頃の正式サービス開始を目指す。

 検討を開始した共通データ基盤は、これまで散在していた証券関連情報を一元化し、証券会社のシステムが直接取り込める形式で提供するデータ配信サービスである。日本取引所グループ(JPX)が保有する上場企業情報や取引規制情報などのデータを横断的に集約し、APIやクラウドDWH(データウェアハウス)「Snowflake」などのクラウドプラットフォームを経由して配信する方式を検討している。これにより、証券会社は自社の業務システムとデータ基盤を連携させ、情報取得から登録までのプロセスを自動化できるようになる(図1)。

図1:JPX総研が構築する、証券会社のバックオフィス業務を支援するデータ基盤の概要(出典:JPX総研)
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 取り組みの背景として、証券業界におけるバックオフィス業務のアナログな実態を指摘する。「現在、証券会社では、新規上場や上場廃止、株式分割や商号変更といったコーポレートアクション情報、さらには制限値幅や監理銘柄指定といった取引規制情報を確認する際、取引所からの通知(PDF形式の所報)や各機関のWebサイトを目視で確認している」(JPX総研)。

 各証券会社は、下記のような情報を自社システムへ手作業で入力しており、入力負荷やヒューマンエラーのリスク、業務の属人化が業界共通の課題となっていたという。

  • 新規上場・上場廃止などの上場関連情報
  • 増資、株式分割や商号変更などの各種コーポレートアクションに関する日々の通知情報
  • 制限値幅の取扱い、監理銘柄指定制度、信用銘柄等の選定などの取引規制・信用取引情報

 JPX総研は、共通データ基盤によって市場関連情報を標準化・デジタル化して提供することで、証券業界全体のBPR(Business Process Re-engineering)を推進する。手作業に依存していた業務プロセスを見直すことで、事務コストの低減や処理の即時性・正確性の向上が期待できるとしている。

 共通データ基盤の構築にあたって、市場関係者との共創を掲げている、これまでに、みずほ証券や大和証券、大和総研といった複数の市場関係者と協力して要件定義や検証を進めてきたという。今後も標準化されたデータ基盤の普及に向けて、多様なパートナーとの連携を検討していく。

 プロジェクトのスケジュールとして、2027年初頭を目途に、実運用への組み込みや業務効率化の効果を検証するためのベータ環境を提供する予定。その後、検証結果を踏まえて、2027年春頃の本番サービス提供開始を目指す。

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