[イベントレポート]

「LLMは航空機を創らない」─ダッソーが示す、“世界モデル”の産業用AIによる製造革新

NVIDIAと戦略的提携、3DとAIインフラの統合でバーチャルツインは最終形態に

2026年2月9日(月)愛甲 峻(IT Leaders編集部)

仏ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)は2026年2月3日(米国現地時間)、米NVIDIAとのパートナーシップ締結を発表した。ダッソーのシミュレーション技術とNVIDIAのAIインフラを組み合わせて、物理法則を理解する「産業向け世界モデル」の確立を目指す。これにより従来の言語モデルでは困難な航空機や新薬開発などで、現実世界の挙動に即した製造革新を支援する。同日、米テキサス州ヒューストンで開かれた年次イベント「3DEXPERIENCE WORLD 2026」の基調講演に、ダッソー CEOのパスカル・ダロズ氏とNVIDIA CEOのジェンスン・ファン氏が登壇し、協業の狙いや展望を語った。

 仏ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)と米NVIDIA(エヌビディア)が、産業用に特化したAI基盤の構築に向けた戦略的パートナーシップを結んだ。2026年2月1~4日(米国現地時間)に米テキサス州ヒューストンで開催された年次イベント「3DEXPERIENCE WORLD 2026」(会場:ジョージ R. ブラウン コンベンションセンター)の基調講演で、協業の内容を明らかにした。

 ダッソーは、製品の企画から設計・製造・販売までの全プロセスを司るプラットフォーム「3DEXPERIENCE」を軸に、デジタル技術やAIの全面的な活用による製品開発の変革に取り組んでいる。中核となる要素に、製品やシステムをその挙動や性質を含めてデジタル空間上に再現し、高精度な検証を行う「バーチャルツイン」がある。また、専門的な知見を備えたAIで、設計者やエンジニアの業務自動化や意思決定を助ける「バーチャルコンパニオン」も打ち出している。

図1:「産業向け世界モデル(Industry World Models)」の概要
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 両社は協業により、ダッソーのバーチャルツインと、NVIDIAのAIインフラ・モデル・ライブラリを統合し、科学的な妥当性を備えた「産業向け世界モデル(Industry World Models)」の構築を目指す(図1)。その背景には、現実世界の物理法則や制約への理解に乏しい汎用的なAIモデルでは、生物学、材料科学、工学などの分野で直面する課題への対処に限界があるとの問題意識がある。

 基調講演のステージに、ダッソー CEOのパスカル・ダロズ(Pascal Daloz)氏と、NVIDIA 社長兼CEOのジェンスン・ファン(Jen-Hsun "Jensen" Huang)氏が登壇し、協業の狙いや展望を語った(写真1)。

写真1:ダッソー・システムズ CEO のパスカル・ダロズ氏(右)とNVIDIA 社長兼CEOのジェンスン・ファン氏(左)

●Next:「世界モデル」を取り入れた産業用AIが可能にする製造革新

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