Sansanは2026年2月12日、従業員数100人以上の企業に勤める情報システム/IT部門、DX推進部門の担当者1053人を対象に、「情シス・IT部門のデータメンテナンス工数に関する実態調査」の結果を発表した。1社あたり年間平均3億9000万円相当の工数がデータメンテナンス業務に費やされており、約5割が生成AI活用の進展に伴い業務量が増加しているという実態が明らかになった。
Sansanは、従業員数100人以上の企業に勤める情報システム/IT部門、DX推進部門の担当者1053人を対象に実施した「情シス・IT部門のデータメンテナンス工数に関する実態調査」の結果の概要を発表した。2026年1月22日~1月27日にオンラインで実施した。
同社は今回の調査を行った背景として、生成AIが社内データを参照して回答する際に期待どおりの精度が出ないといったデータの不備が障壁となっていること、業務やシステムごとに分断しているデータの整理や管理などのメンテナンス業務が情シス・IT部門の負担になっていることを挙げている。
図1:データメンテナンス業務の量が増えたか減ったか(出典:Sansan)拡大画像表示
今回の調査で、情シス・IT部門において、社内データの整備や確認、ツール間のデータ連携といった「データメンテナンス業務」にかかっている工数を算出したところ、1社あたり年間で平均3億9000万円相当の人件費が投じられていることが判明した。
2025年の1年間でデータメンテナンス業務の量が増えたかどうかを尋ねたところ、「大幅に増えた」または「やや増えた」と回答した割合は合計で50.7%に達した(図1)。
直近で増えた業務としては、「生成AI利用に関する社内ガイドラインの策定・更新」(36.0%)が最も多く、次いで「ツール・システム間のデータ連携・設定調整」(34.9%)、「生成AI利用のためのデータの整理・構築業務」(33.6%)が挙げられた(図2)。
図2:近年になって増えたデータメンテナンス業務(出典:Sansan)拡大画像表示
こうしたデータ整備業務の負荷は、本来の業務にも影響を及ぼしている。データの整理や確認業務に時間を取られることで、本来注力したい業務に十分な時間を割けないと感じることがあるかを聞いたところ、75.2%が「頻繁にある」または「時々ある」と回答した(図3)。
図3:データメンテナンス業務のせいで本来注力したい業務に時間を割けないと感じるか(出典:Sansan)拡大画像表示
「頻繁にある」または「時々ある」と回答した担当者に、具体的に時間を割けていないと感じる業務を尋ねた。結果は、「システム改善・最適化」(64.0%)が最多で、「セキュリティ強化」(51.3%)、「業務自動化・効率化」(46.6%)が続いた。Sansanは、データメンテナンスが「隠れた負担」となり、企業の競争力強化やセキュリティ対策といった重要業務を圧迫していると指摘している。
情報システム部門として本来注力したい業務を聞いたところ、「システム改善・最適化」(64.0%)、「セキュリティ強化」(51.3%)、「業務自動化・効率化」(46.6%)が上位に挙がった(図4)。
図4:情報システム部門として本来注力したい業務(出典:Sansan)拡大画像表示
データメンテナンス関連業務の今後の見通しについては、58.1%が「増えていくと思う」と予想している(図5)。「生成AI活用やデータ活用の広がりによって、IT部門が担う業務は、今後さらに増加・高度化していくと見られる」(同社)。
図5:データ関連業務が今後増えるか減るかの見通し(出典:Sansan)拡大画像表示
調査結果を受けて、同社Data Intelligence推進部の鳴海佑紀氏は、「生成AI活用やデータ活用を本格的に進めるためには、社内に蓄積されたプライベートデータを部門やシステムの垣根を越えて整備・統合し、『AI Ready Data』の状態にすることが不可欠だ」とコメントしている。
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