[事例ニュース]

ホームセンターのカインズ、店舗の棚割りを最適化するAIモデルを構築

机上検証を経て、2026年度に全店導入へ

2025年11月28日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ホームセンター「カインズ」を運営するカインズ(本部:埼玉県本庄市)は、店舗全体の商品カテゴリの構成をAIで最適化する取り組みを進めている。構築したAIモデルの机上検証で売上向上効果を確認し、PoC(概念実証)に着手。その後、AIモデルの改善やシステム構築・実地検証を経て、2026年度に全店での業務利用開始を目指す。同社のAI活用を支援しているブレインパッドが2025年11月26日に発表した。

 ホームセンターを運営するカインズは、店舗全体の商品カテゴリの構成をAIで最適化する取り組みを始めた。

 「小売業は消費者のニーズやトレンドの変化に迅速に対応しなければならない。同社では店舗改装や棚替えにおけるゾーニングや棚割り・品揃えの変更・調整を人手で行っており、対応のスピードが上がらない。加えて、担当者の経験・スキルに依存している」(同社)という課題を抱えていたことからプロジェクトを始動した。

図1:売上データをもとに店舗・カテゴリごとの最適本数を予測するAIモデルを構築し、効果を検証した(出典:ブレインパッド)
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 AIモデルの構築・導入をブレインパッドが支援する。まずは、棚割り(商品陳列の配置)を予測・最適化するAIを用いて、カインズの実データを使って机上検証を実施し、売上向上の効果を確認した。今後、店舗での実地検証とAIモデルの改善を経て、2026年度に全店での業務利用開始を目指す(図1)。

 机上検証では、約200店舗、1000種類超の商品カテゴリに及ぶ、過去数年分の棚本数や売上データ、店舗属性情報をAIに学習させ、各店舗におけるカテゴリ本数と売上の関係を予測した。このうえで、店舗・カテゴリごとの最適本数を算出し、売上向上効果を試算した。

 「机上検証の結果、すでに検討を進めていたカテゴリ見直しの方向性と、AIによるデータ分析による見直し結果が一定程度整合した。AIは各店舗の立地や商圏特性を捉えた予測・最適化結果も示しており、定量的にも約10%前後の売上向上効果を認めた」(カインズ、ブレインパッド)

 カインズの棚割戦略推進統括部で統括部長を務める麻生憲弘氏は、「AIによる棚本数の推奨値は新たな視点を提供してくれる。今後の棚割戦略に生かせる可能性を感じている。実店舗での検証を通じてAIの提案が現場でどのように機能するかを見極めながら、より実践的な活用へとつなげていきたい」としている。

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