[調査・レポート]
2024年度の国内BPO市場は前年比4%増、業務プロセス改善需要で2025年度もプラス成長─矢野経済研究所
2025年11月27日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三
矢野経済研究所は2025年11月26日、国内のBPO(業務アウトソーシング)サービス市場を調査した結果を発表した。同社は、2024年度の市場規模を、事業者売上高ベースで前年度比4%増の5兆786億5000万円と推計した。内訳は、非IT系が同1.0%増の1兆9566億5000万円、IT系が同5.9%増の3兆1220億円である。2025年度もプラス成長を予測している。
矢野経済研究所は、国内のBPO(業務アウトソーシング)サービス市場を調査した。調査期間は2025年8月~10月で、調査対象はIT系BPO事業者、印刷系BPO事業者、コールセンター系BPO事業者、事務系BPO事業者など。
調査にあたってBPOを、「システム運用管理、コールセンター系(ヘルプデスクなど)、間接部門系(人事、総務、経理など)、直接部門系(購買・調達、営業など)の業務を委託・代行するサービス」と定義。システム運用管理業務の代行サービスを「IT系BPO」、その他の業務の代行サービスを「非IT系BPO」に分類している。なお、外部への委託が一般的な専門的なサービス(情報システム開発、ビルメンテナンスなど)は対象外となっている。
図1:国内BPO市場における規模の推移と予測(出典:矢野経済研究所)拡大画像表示
IT系と非IT系を合算した、2024年度のBPOサービス全体の市場規模を、事業者売上高ベースで前年度比4.0%増の5兆786億5000万円と推計している。内訳は、非IT系が同1.0%増の1兆9566億5000万円、IT系BPOが同5.9%増の3兆1220億円となっている(図1)。
矢野経済研究所によると、抜本的な業務プロセス改善を目的に、BPOサービスの需要が拡大基調で推移している。「例えば、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増加基調で推移している。これらの企業はコア業務や新たな業態開発業務に経営資源を重点投下し、人的リソースを再配置している」(同社)。こうした中で、自社の事業リソースで不足したノンコア業務、さらに戦略立案などのコア業務やコンサルティング業務までをBPOで調達する機運が高まっているという。
注目トピックとして、人を介した業務とデジタル技術を活用した業務を組み合わせる「デジタルBPO」を挙げる。同社は「デジタル技術により、BPO業務の効率化・迅速化・省力化・サービス品質向上などの効果がある」と説明する。
また、リモートワークの普及を契機としたネットワーク環境の整備や、業務プロセスのNoOPS(No Operations:人力による作業の最小化)を実現するためのシステム運用の見直し、ファイルサーバーのクラウド移行にひもづいた周辺業務に対するサービス需要も高水準で推移しているという。
2025年度以降もBPOの市場規模は堅調に推移すると同社は見ている。例として、安価なクラウド基盤システムの導入に合わせてBPOサービスを利用する企業が、大手企業から中堅・中小企業へと広がっていることを挙げる。
「コロナ禍を経てBPOサービスの利用を増やした官公庁・自治体の取り込みが堅調に推移している。生成AIを活用したBPOサービス実用化の動きも活発化している」(同社)
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