SCSKは2026年6月12日、ERPアプリケーション「PROACTIVE」に製造実行システム「PROACTIVE MES」を追加し、提供を開始したと発表した。製造現場の実績情報をERPとリアルタイムに連携させることで、生産計画と現場の情報断絶を解消し、正確な原価管理と迅速な経営判断を支援する。
SCSKの「PROACTIVE」シリーズは、会計、人事・給与、販売管理、生産管理など企業の基幹業務を網羅したERPアプリケーションである。卸・商社、製造、建設、サービス業といった業界ごとのベストプラクティスと共に提供している(関連記事:SCSKのERP「PROACTIVE」、新リース会計基準に準拠した不動産賃貸借管理機能を追加)。
同シリーズに新たに加わった「PROACTIVE MES」は、製造実行システム(MES:Manufacturing Execution System)である。製造現場において、生産計画どおりにモノが作られるよう、現場のヒト・モノ・設備などの情報を管理・支援する。MESに必要な「順序計画」「作業指示」「進捗管理」「実績収集/分析」「品質管理」の各機能を標準で実装する(画面1)。
画面1:4M(ヒト、機械、材料、方法)の情報を分析するダッシュボードの画面(出典:SCSK)拡大画像表示
PROACTIVE MESを投入する背景を次のように説明している。「製造業は工場ごとに機械や工程が異なるため、会計や人事領域のように一律でERPを導入することが困難である。ERPで作成した生産計画が現場の実績や稼働情報と分断されていることから、正確な原価把握や納期回答が難しい。設備の稼働状況のリアルタイム把握や不良発生時の要因分析も容易ではなかった」(SCSK)。
PROACTIVE MESは標準で、ERPを構成するPROACTIVEの各機能・サービスと連携する。これにより、計画から実行、会計までをワンストップで管理できる。また、Web APIやETLを介して、SAPなど他社製ERPとも連携可能である。
同社は、MESとERPの連携によって、計画情報と現場の実績情報をリアルタイムに結びつけられることをアピールする。「原価や在庫状況のズレが即座に分かり、正確なコスト管理と迅速な経営判断につながる。また、実績情報の二重入力や確認作業を削減できる」(同社)。
また、同シリーズの共通方針として、現場業務のAI支援に力を入れている。PROACTIVE MESでは、AIが作業者のスキルやシフト、設備稼働状況を参照して最適な作業順序を自動で割り当てる。また、AI-OCRが作業指示書や検査記録を自動でデータ化し、転記作業と人的ミスを削減する。
ダッシュボードは、製造現場の状況を標準指標(ISO22400)に基づいて収集し、4M(ヒト、機械、材料、方法)の観点で可視化する。生成AIサービスの「Google Gemini」を用いて問題を早期に発見し、改善アクションをレポート形式で提示する。
SCSKは今後、AI-OCRによる実績収集の対象範囲の拡張やAIダッシュボードのテンプレート追加のほか、対話を通じて現場課題の解決策を探るチャット形式の分析支援機能の追加を予定している。
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