[新製品・サービス]
NEC、量子コンピュータ時代を見据えた「耐量子暗号移行方針策定支援サービス」を提供
2026年3月5日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
NECは2026年2月27日、ITコンサルティングサービス「耐量子計算機暗号(PQC)移行方針策定支援サービス」を提供開始した。「自社のどこで、どのような暗号が使われているか把握できていない」といった課題に対し、暗号利用状況の棚卸し、リスクに基づく優先度づけ、移行ロードマップ策定までをトータルで支援する。処理性能や運用性、既存システムへの影響なども踏まえた実行可能な移行方針を策定する。標準期間は3カ月から。
NECの「耐量子計算機暗号(PQC)移行方針策定支援サービス」は、PQC(Post-Quantum Cryptography)への移行ロードマップの策定を支援するコンサルティングサービスである。暗号利用状況の棚卸し、リスクに基づく優先度づけ、移行ロードマップ策定までをトータルで支援する。処理性能や運用性、既存システムへの影響なども踏まえた実行可能な移行方針を策定する(図1)。
図1:「PQC移行方針策定支援サービス」の概要(出典:NEC)拡大画像表示
サービス提供の背景を次のように説明している。「近年、量子コンピュータの進化により、現在広く利用されているRSAやECCなどの公開鍵暗号の安全性が将来的に低下する可能性が指摘されている。現在は解読できない暗号化データであっても、将来的な暗号解読を見越してデータを不正に収集・蓄積しておくHNDL(Harvest Now, Decrypt Later)攻撃への備えが重要性を増している」(NEC)
一方で、大規模な組織が全社システムで暗号方式の移行を進めるには長期的な計画が必要になる。同サービスは「自社のどこで、どのような暗号が使われているか把握できていない」「何から着手すべきか分からない」といった課題を持つ企業に対し、移行の第一歩となる現状把握と計画策定を支援する。
PQC移行方針策定支援サービスは、スポット型コンサルティングサービスの形態で提供する。標準的なサービス期間は3カ月からで、対象範囲と規模に応じて個別に調整する。以下の3つのステップでPQCへの移行を支援する。
ビジネスリスクを踏まえた移行対象・範囲の明確化:事業への影響度やデータの機密性と保持期間、規制・契約要件、システムのライフサイクルなどを整理し、優先すべき対象範囲と具体的な着手点を定める。
組織内の暗号利用状況の可視化(クリプトインベントリ作成):ネットワーク構成図やヒアリングなどを活用し、対象システムで利用されている暗号アルゴリズム、鍵長、プロトコル、証明書管理、関連ライブラリとの依存関係などを洗い出し、台帳フォーマットの一覧であるクリプトインベントリとして可視化する。
リスクと重要度に基づいたPQC移行ロードマップの策定:データの重要度や外部接点の多さ、更新タイミングなどの観点からリスクと移行優先度を評価し、いつ、どの領域から移行を進めるべきかを示す現実的なロードマップを策定する。投資対効果と実行可能性を踏まえた計画的な移行検討が可能になる。
コンサルティングによる支援の成果は、表1にあるクリプトインベントリ、リスク評価、ロードマップ、方式選定の検討観点などをまとめた「PQC移行方針書」として提供される。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| クリプトインベントリ | 対象システムにおける暗号利用状況の一覧(台帳フォーマットで整理) |
| リスク評価・優先度付け | 移行優先度の判断根拠(評価観点・結果の整理) |
| PQC移行ロードマップ | 移行対象の段階的な進め方、推奨アプローチ、検討・対応の順序 |
| 方式選定・適用に関する検討観点 | 安全性、処理性能、運用性、既存影響などを踏まえた整理(ユーザー要件に応じて) |
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