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[事例ニュース]

年間500時間を創出、JCBが対話型音声AIで挑むコールセンター改革

現場主導の高速PDCAで突破したプロジェクトの舞台裏

2026年7月2日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)

ジェーシービー(JCB、本社:東京都港区)が、加盟店向けコールセンターに電話自動応答クラウドサービス「アイブリー」を導入し、人材不足解消と業務変革に取り組んでいる。2026年6月25日に開催された「Voice to Value 2026 夏」(主催:IVRy)に、導入プロジェクトを主導した3人のキーパーソンが登壇し、トータル約4000件にもおよぶ架電テストとチューニング作業、セキュリティ要件をクリアした合意形成の裏側などを語った。

個人情報を扱わない「加盟店デスク」からのスタート

 JCBが抱えていた課題の1つに、コールセンターにおける人材の確保があった。若年層がオペレーター職を選びにくくなっているという社会的背景に加え、同社では2025年から数千席規模におよぶ電話基盤の全面刷新プロジェクトが並行して走っていた。

 電話基盤の刷新プロジェクト後の大規模なシステム投資を待っていては、人材不足に悩むコールセンターでのAI活用が数年間も遅れてしまう。そこで同社は、まずはAIオペレーターの活用を「小さく始める」アプローチを選択。複数のAIオペレーター製品を比較した結果、IVRyが提供する、対話型音声AIによる電話自動応答クラウドサービス「アイブリー」を選定した。中小企業への導入実績が多く、小規模でも使い始められる点を評価したという。

 概念実証(PoC)を進めるにあたり、最初の対象として選ばれたのは、小売店、飲食店、ECサイトなどJCBカードの加盟店からの問い合わせに対応する「加盟店デスク」だ。加盟店デスクへの問い合わせは、「端末の操作方法がわからない」「金額を間違えて入力してしまった」「契約内容を確認したい」といった、定型的かつFAQ(よくある質問)で完結できる内容が大部分を占めている。問い合わせ件数は月間で1万件ほどだ。

 JCB システム本部 部長の福山武彦氏(写真1)は、加盟店デスクをアイブリーのPoCに選定した理由について次のように説明した(図1)。「カード会社である当社のコールセンターでは個人情報を多く扱います。一方で、加盟店デスクはカード番号などの個人情報を扱わないことに加え、FAQ形式で進められる部分も多いことから、PoCの成果が見込めると判断しました」

写真1:JCB システム本部 部長 福山武彦氏
図1:PoCに加盟店デスクを選定した理由(出典:JCB)
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●Next:本番環境での精度急落の危機、セキュリティの壁を越えた成功の全貌

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