開発ツール/プラットフォーム 開発ツール/プラットフォーム記事一覧へ

[事例ニュース]

モアクト、ソースコードの解析で仕様書を常時最新化、リリース期間半減へ

2026年8月13日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

関西電力グループでITサービスなどを手がけるモアクト(本社:大阪府大阪市)は2026年8月12日、既存システムのソースコードをAIが解析して仕様書を復元し、実装の変更に追随して常時最新の状態に保つ試みを始めたと発表した。仕様書を事業部門と開発部門が共通で参照する基盤とし、新サービスの企画から機能リリースまでの期間半減を目指す。仕様書の復元には、Exa Frontier Edgeが同日提供を開始した「Living Spec生成サービス」を使う。

 モアクトは、関西電力グループで、Webアプリケーションの企画・開発・運営、コンサルティング事業、メディア事業などを手がけている。同社のシステム開発は従来、リリースまでの速度を優先し、仕様書の更新は年に数回まとめて実施していた。このため、コードの変更を仕様書に反映するまでに時間差が生じており、事業部門が最新の仕様を確認したい場合は開発者を介する必要があった。

 今回、既存システムのコードや関連資料から仕様書を作成する「Living Spec(リビングスペック)生成サービス」(Exa Frontier Edgeが提供)を導入した。ソースコードの構造と処理ロジックを解析して仕様書のドラフトを機械的に生成する。コードだけで判断できない部分は、既存文書、実機設定、システムログ、問い合わせ・作業履歴の順に確認して精度を高める。解析対象言語は、JavaScript、TypeScript、Python、Java、VB.NET、COBOLなどで、今後ABAPなどにも広げる。

 モアクトは、サービスを支えるバックエンドシステムを対象に、機能要件やデータ要件、外部インタフェース、画面、バッチ、通知、利用者と権限、非機能要件の8領域にわたって仕様書を整備した。分量はA4換算で約220ページ、解析途中の突合資料を含めると約490ページ相当に上る。同等の作業を人手で進めた場合、3カ月規模が必要だと同社は見ている。

 整備にあたっては、利用者・管理者・外部システムの操作を含む約100件のユースケースについて、まずソースコードからの仕様書の逆生成を3日間で終えた。その後、既存の設計書や実機の環境変数、関係者へのヒアリング結果を統合して記述を確定させる工程に約2週間を要し、合計約3週間で完成させた。

 仕様書の生成による効果の目標として、企画から機能リリースまでの期間半減、開発チームを介さず仕様を基に事業部門が初期回答を得られる割合80%以上、要件定義に要する期間の大幅短縮などを挙げている。

 復元した仕様書をもとに、実際のバックエンドを呼び出すことなく仕様通りの応答を返すモックAPI環境を1週間で構築し、検証用のテスト環境を短期間で立ち上げた。現在、コードの変更を仕様書に自動で反映させる継続更新の仕組みも構築中である。

 開発プロセスの再設計にも着手した。機能拡張に関わる工程を可視化し、工程ごとのリードタイムや手戻りの多さを定量化してボトルネックを特定する。人間はレビューや承認に集中し、調査・分析・文書化はAIが担う。

関連キーワード

Exa Frontier Edge / モアクト

関連記事

トピックス

[Sponsored]

モアクト、ソースコードの解析で仕様書を常時最新化、リリース期間半減へ関西電力グループでITサービスなどを手がけるモアクト(本社:大阪府大阪市)は2026年8月12日、既存システムのソースコードをAIが解析して仕様書を復元し、実装の変更に追随して常時最新の状態に保つ試みを始めたと発表した。仕様書を事業部門と開発部門が共通で参照する基盤とし、新サービスの企画から機能リリースまでの期間半減を目指す。仕様書の復元には、Exa Frontier Edgeが同日提供を開始した「Living Spec生成サービス」を使う。

PAGE TOP