スズキ(本社:静岡県浜松市)は、生産現場における品質管理や作業効率の課題を解決するため、AIスタートアップのOlloが提供する、製造業特化の作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」を国内工場に導入した。ウェアラブルカメラやスマートフォンで撮影した作業動画をアップロードすると、AIが作業を要素ごとに分割して解析する。熟練者と新人の動作比較や作業のバラつき分析を通じて生産性と品質の向上を支援する。Olloが2025年12月23日に発表した。
静岡県浜松市に本社があるスズキは、軽自動車や小型車で国内トップクラスのシェアを持つ自動車/輸送機器メーカーである。四輪車だけでなく、二輪車、マリン製品(船外機)、福祉機器(ハンドル形電動車いす「セニアカー」)なども手がけている。
同社は、生産現場において月に1回程度発生する慢性的な不良といった、製品の品質にかかわる問題をはじめ、担当者の作業効率や熟練者から新人への技術継承などの課題を解決するため、製造業に特化した作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」を国内工場に導入した。東京大学松尾研究室発AIスタートアップのOllo(オロ)が開発した分析ソフトである(画面1)。
画面1:製造業に特化した作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」の画面(出典:Ollo)拡大画像表示
工場での作業を撮影した動画をOllo Factoryにアップロードすると、AIが作業を要素ごとに自動分割・解析する。作業のバラつきなどを分析したうえでの改善案の提案や、作業手順書の自動作成といった機能を備えている。
動画の撮影は、担当者のスマートフォンや身につけるウェアラブルカメラで行う。固定カメラでは死角が多い自動車の組立工程においても高精度に分析するという。これにより、新人と熟練者の動作の違い、作業中につまずきやすいポイントなどがわかり、作業スキル向上に役立てられる(写真1)。
写真1:スマートフォンやウェアラブルカメラで撮影した動画を分析して、作業スキル向上に役立てられる(出典:スズキ、Ollo)拡大画像表示
スズキは、こうした作業の分析に加え、リアルタイムに異常を検知してミスを防止する用途にもOllo Factoryを活用する。ネジの締め忘れなどの作業抜けや作業ミスをAIがその場で検出し、スマートフォンに通知する。同時に、異常の原因となった映像が記録される仕組みになっている。
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