[市場動向]
AI駆動開発は日本のモダナイゼーションを加速させるか─「Devin」の米Cognition AIが日本法人を設立
2026年6月30日(火)指田 昌夫(フリーランスライター)
AI技術の進展に伴い、ソフトウェア開発におけるAI活用は、コード生成から、要件定義や設計、テスト、運用を含む開発ライフサイクル全体へと広がっている。こうしたAI駆動開発を支えるソフトウェア開発エージェントの1つが「Devin(デヴィン)」だ。開発元の米Cognition AIは2026年6月に日本法人を設立し、国内展開を本格化した。6月24日に開催した戦略説明会では、Cognition AI Japan社長兼ゼネラルマネージャーの正井拓巳氏が、同社のエンドツーエンド型AI開発プラットフォームの特徴や強み、日本市場における戦略を説明した。
初のアジア拠点として日本に進出する理由
説明会に登壇したCognition AI Japan 社長兼ゼネラルマネージャーの正井拓己氏(写真1)は、現在のソフトウェア開発を取り巻く環境について、「これからのソフトウェア開発において、AIを使わないという選択肢はない。AI駆動型ソフトウェア開発の時代がやってきた」と述べ、AIが開発の補助的な役割から主体的な実行者へと進化している変革の最中にいることを説明した。
写真1:Cognition AI Japan 社長兼ゼネラルマネージャーの正井拓己氏自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin(デヴィン)」を提供するCognition AIは、2023年に米国で創業し、グローバル全体での社員数は約350名。直近の年間売上高は、前年比約7倍の約790億円と高い成長を記録している。大規模かつ複雑なコードベースを抱える大手金融機関、テクノロジー企業からスタートアップまで、業種や企業規模を問わず導入が進んでいるという。
同社はAI駆動ソフトウェア開発企業の先駆けとしてとして注目を集め、2026年5月に約2500億円の資金調達を実施、企業評価額は約4.2兆円に達している。急成長を牽引する創業チームは、米国トップクラスの競技プログラミング大会や、国際情報オリンピック(IOI)で金メダルを多数獲得したプログラマーたちによって構成されている。
グローバルで急成長を遂げるCognition AIが、アジア太平洋地域初の事業拠点として日本を選んだ理由は、日本市場が抱える固有の課題と、Devinが提供する解決策との間に高い親和性が存在するためだと、正井氏は説明する。
「Devinを活用することで、IT人材不足の解消やレガシーシステムのトランスフォーメーションの促進、ITの産業構造やエンジニアの評価制度の改革、品質担保とDX加速化の両立など、日本固有の課題に対して解決策を提示できる」
●Next:スキルやリソースの制約を超え、開発生産性を上げる
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