[市場動向]
エージェント導入の失敗の多くは「エージェントではない部分」にあり。この課題にどう向き合うか? ─HCLSoftware
2026年10月20日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)
AI活用が多くの企業で進む中で、エージェンティックAI導入プログラムの4割以上が「エージェント以外の周辺要素」を原因に失敗に終わっている──。では、セキュリティ脅威の急増やコスト高騰といった企業ITの複合的課題を乗り越え、AIの実運用で「ビジネスの成果」を勝ち取るには何が必要か。2026年10月6日にHCLSoftwareが開催した説明会で、同社 Intelligent Operations部門 最高収益責任者でグローバルのGo-To-Marketを統括するウィリアム・エルス氏が、同社独自の次世代IT運用戦略を明かした。
サービスとソフトウェアの両輪を持つHCL
HCLグループは、HCL Technologiesが手掛けるデジタル、エンジニアリング、クラウド、人工知能(AI)の4つのサービス部門と、HCLSoftwareが担うカスタマーエクスペリエンス、データ&AI、オペレーション(サイバー、IT、ビジネス)という3つのソフトウェア領域で事業展開し、1万社を超えるグローバル顧客を支援している(図1)。
図1:HCL TechnologiesとHCLSoftwareが手掛ける領域(出典:HCLSoftware)拡大画像表示
HCLSoftware Intelligent Operations部門 最高収益責任者のウィリアム・エルス(William Ellse)氏(写真1)は「サービス事業とソフトウェアプラットフォーム事業の両方を持っている」ことが同社の強みであると強調した。
写真1:HCLSoftware Intelligent Operations部門 最高収益責任者のウィリアム・エルス氏「エージェンティックAIの波」の到来
近年、企業における生成AI活用が広がる一方、AIを「試す」段階から、実際の業務やIT運用で本格的に活用する段階へ進むにつれ、新たな課題が浮かび上がっている。エルス氏は自身の長年のキャリアを振り返り、現在のAIトレンドの巨大さを次のように表現した。
「インターネット、スマートフォン、SaaSの波、データの波、そしてクラウドといったITの大きな波を幾度も経験してきた。しかし、これからやってくるエージェンティックAIの波は、これまでの波の3倍は大きなものになると考えている」(同氏)
実際、エージェンティックAIの波はすでに到来している。米ガートナーによると最大60%の企業がエージェンティックAIを実運用に組み込んでおり、関連支出も現在の150億米ドル(約2兆3700億円)から数年後には7520億米ドル(約119兆1500億円)へと爆発的に増加する見通しだという。
エルス氏はこの状況に警鐘を鳴らす。「私たちが直面している課題は、すべてのエージェンティックAIプロジェクトの40%以上が失敗しているということだ。失敗理由はエージェント自体のせいではなく、周辺を取り巻くすべての要素が原因だ」
これらの課題の中心には、実装、統合、ガバナンス、ビジネス価値、そして商業モデルのギャップが存在する(図2)。「重要なのは、これらの問題の大部分がプラットフォーム単体ではなく、サービス事業によって解決されなければならない領域にあることだ」(エルス氏)という。だからこそ、プラットフォーム、エージェント、オーケストレーション、そしてサービス事業のすべてを自社で併せ持つHCLが、エンドツーエンドで問題を解決できる唯一の存在となると同氏は強調した。
図2:エージェントだけではプロジェクトは成功しない(出典:HCLSoftware)拡大画像表示
●Next:どう課題を解決に向き合い、解決を図るか?
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 次へ >
- 業務システム 2027年4月強制適用へ待ったなし、施行迫る「新リース会計基準」対応の勘所【IT Leaders特別編集版】
- 生成AI/AIエージェント 成否のカギは「データ基盤」に─生成AI時代のデータマネジメント【IT Leaders特別編集号】
- フィジカルAI AI/ロボット─Society 5.0に向けた社会実装が広がる【DIGITAL X/IT Leaders特別編集号】
- メールセキュリティ 導入のみならず運用時の“ポリシー上げ”が肝心[DMARC導入&運用の極意]【IT Leaders特別編集号】
- ゼロトラスト戦略 ランサムウェア、AI詐欺…最新脅威に抗するデジタル免疫力を![前提のゼロトラスト、不断のサイバーハイジーン]【IT Leaders特別編集号】
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
AIの真価は「今この瞬間」の感知にある。「Data Streaming Platform」で実現する「AI Ready Data」を解説
-
-
-
VDIの導入コストを抑制! コストコンシャスなエンタープライズクラスの仮想デスクトップ「Parallels RAS」とは
-
AI時代の“基幹インフラ”へ──NEC・NOT A HOTEL・DeNAが語るZoomを核にしたコミュニケーション変革とAI活用法
-
加速するZoomの進化、エージェント型AIでコミュニケーションの全領域を変革─「Zoom主催リアルイベント Zoomtopia On the Road Japan」レポート
-
14年ぶりに到来したチャンスをどう活かす?企業価値向上とセキュリティ強化・運用効率化をもたらす自社だけの“ドメイン”とは
-
-





