ディスカウントスーパーマーケットのオーケー(本社:神奈川県横浜市)は、全店舗の業務を支える「生鮮DB」と、ネットスーパー向けの「ネットスーパーDB」を、クラウド上のデータベースサービス「AlloyDB for PostgreSQL」に移行した。生鮮DBはシステムを停止させることができないため、新旧データベースを並行稼働させながら移行した。グーグル・クラウド・ジャパンが2026年10月5日にブログで事例を公開した。
オーケーは、関東の1都3県と関西の大阪府・兵庫県に180店舗以上を展開するディスカウントスーパーマーケットである。IT面では、2020年にオンプレミスのDWHをBigQueryに移行。2021年に始めたネットスーパー「オーケーネットスーパー」では、会員向けスマートフォンアプリをFirebaseで構築した。
生鮮DBは、各店舗のマスター情報や仕入れ、棚卸し、販売実績などを蓄積するデータベースで、オンプレミスのOracle Databaseで動かしていた。全店舗からのデータ参照や現場の帳票出力にも使っている。一方、ネットスーパーDBは、ネットスーパーの顧客体験向上を担うデータベースで、クラウド上で稼働するPostgreSQLを利用していた。
オーケーは、2つのデータベースの移行先として「AlloyDB for PostgreSQL」(以下、AlloyDB)を選んだ。PostgreSQLとの互換性を持つマネージド型のデータベースサービスである。可用性については、SLAが99.99%、フェールオーバーは約15秒とうたっている。PostgreSQLのオートバキューム(更新や削除で生じた不要な行の領域を回収する処理)を自動で調整するなど、運用の手間も減る。
図1:オーケーによるデータベース移行プロジェクトのイメージ(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)拡大画像表示
移行方式は、2つのデータベースの性質に合わせて使い分けた(図1)。ネットスーパーDBは、システムを停止できた。停止すれば移行中にデータが更新されないため、移行元である他社クラウド上のPostgreSQLから対象データをエクスポートし、移行先であるAlloyDBへとインポートするだけで済んだ。
一方、生鮮DBは止められないので、移行している間も店舗の業務でデータが更新され続ける。そこで、従来のデータベースを稼働させたままクラウドに移行できるサービス「Database Migration Service(DMS)」を使った。DMSは、移行元データベースのトランザクションログを読み、差分を抽出し、AlloyDBへと継続的に反映する。
移行元のOracle Databaseと移行先のAlloyDBは、データ型などの仕様が異なるため、移行前にスキーマを変換する必要がある。変換にはDMSのコンバージョンワークスペース機能を使い、Google Geminiによる変換の提案も取り入れた。DMSが扱えない日本語のカラム名は、英数字の名前を付けた仮テーブルにデータを移し、移行後に元の名称へと戻した。
生鮮の現場では従来、担当者が独自のツールでデータベースからデータを抽出し、表計算ソフトウェアで集計や状況確認をしていた。新しい基盤では、AlloyDBからBigQueryにニアリアルタイムにデータを連携でき、生鮮のデータをBigQueryに集約して分析できる。生鮮領域のロス削減と売り上げ増につなげるためのデータ分析が容易になった。
オーケー / AlloyDB / Google Cloud / マイグレーション
- 業務システム 2027年4月強制適用へ待ったなし、施行迫る「新リース会計基準」対応の勘所【IT Leaders特別編集版】
- 生成AI/AIエージェント 成否のカギは「データ基盤」に─生成AI時代のデータマネジメント【IT Leaders特別編集号】
- フィジカルAI AI/ロボット─Society 5.0に向けた社会実装が広がる【DIGITAL X/IT Leaders特別編集号】
- メールセキュリティ 導入のみならず運用時の“ポリシー上げ”が肝心[DMARC導入&運用の極意]【IT Leaders特別編集号】
- ゼロトラスト戦略 ランサムウェア、AI詐欺…最新脅威に抗するデジタル免疫力を![前提のゼロトラスト、不断のサイバーハイジーン]【IT Leaders特別編集号】
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
AIの真価は「今この瞬間」の感知にある。「Data Streaming Platform」で実現する「AI Ready Data」を解説
-
-
-
VDIの導入コストを抑制! コストコンシャスなエンタープライズクラスの仮想デスクトップ「Parallels RAS」とは
-
AI時代の“基幹インフラ”へ──NEC・NOT A HOTEL・DeNAが語るZoomを核にしたコミュニケーション変革とAI活用法
-
加速するZoomの進化、エージェント型AIでコミュニケーションの全領域を変革─「Zoom主催リアルイベント Zoomtopia On the Road Japan」レポート
-
14年ぶりに到来したチャンスをどう活かす?企業価値向上とセキュリティ強化・運用効率化をもたらす自社だけの“ドメイン”とは
-
-

