[イベントレポート]

AIを「脅威」から「解決策」へ─エージェンティックAI時代を切り拓くSplunk

.conf 2026で発表されたAI監視と自律型SOCの最前線

2026年10月16日(金)神 幸葉(IT Leaders編集部)

米Splunk(スプランク)が2026年9月に米国コロラド州デンバーで開催した年次コンファレンス「.conf 2026」の製品基調講演では、エージェンティックAI時代の到来と、それを受けたプラットフォームの再定義(Splunk Reimagined)が大きなテーマとなった。AIが脅威にも対応策にもなり得る現状において、企業はコストやスキル、スピードの課題をどう乗り越えるべきか。講演では、AIの行動を大規模に監視・最適化する基盤や、マシンスピードでの防御を実現する「Agentic SOC」など、企業のAI活用を飛躍させる最新ソリューションが披露された。

大規模なAIの最適化と「Agent Observability」

 Splunkの年次カンファレンス「.conf26」の製品基調講演では、エージェンティックAI時代の到来と、それに伴うプラットフォームの再定義(Splunk Reimagined)がテーマとして掲げられた(関連記事:エージェント時代のカギはAIへの信頼─シスコと共に自らを「再定義」するSplunk)。

 Splunk シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのカマル・ハティ(Kamal Hathi)氏(写真1)は、現在企業が直面する現実を次のように表現した。

「かつてSFだったことが現実となっています。AIが誤った目標に向かって暴走し、脆弱性を突くといったインシデントが多く発生し、レジリエンスの概念は変化しています。どんなインシデントが起きようとも、確実に状況に追従できるようにすることが重要なのです。瞬時に事態を把握し、自律的に対応できるかどうかが問われています」

 その上で同氏は、「AIが脅威であり、同時にAIが対応策であるという状況を再考しなければならない」と語り、ステージでは、コスト、スキル、スピードという制約を打ち破るための、同社の新製品群が発表された。

写真1:Splunk シニアバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャー カマル・ハティ氏

 続けて米Anthropic(アンソロピック) エンタープライズ応用AI責任者のジェニー・シャー(Jenny Sha)氏(写真2)が登壇し、ハティ氏とセッションを行った。SplunkとAnthropicは、AIを活用したデジタルレジリエンスの向上、セキュリティ運用の自動化、ガバナンスの強化に向けてパートナーシップを展開している。

写真2:Anthropic エンタープライズ応用AI責任者 ジェニー・シャー氏

 シャー氏によると、AIの活用はチームがインシデント解決やコード移行などの成果を「エージェントの集団」に委ねる自律的なフェーズへと移行している。同氏は、「仕事の単位が変わりました。現在、私のチームは『Claude』を使ったエージェント構築において、本番環境で実際に信頼できる方法で構築できるようにすることに注力しています」と語り、Observability CloudとAnthropicの「Claude Managed Agents」を組み合わせた「AI SRE」のイノベーションを発表した。

 シャー氏が紹介したAI SREは、Splunkが障害の根本原因を特定、Claudeが本番ソースコードを推論し、修正コードの提案からプルリクエストの作成までを自律的に行うもの。根本原因分析の作業時間を、6時間から20分に短縮できるといった成果が出ているという。

 この進化を支える機能として、統合開発環境から自律的にオブザーバビリティを設定する「Observability Studio」が同日から利用可能となった。同機能は、AIがオブザーバビリティの専門家として必要なすべてのスキルを提供するもので、セットアップを指示すると、システムをオブザーバブル(観測可能)にするために何が必要かを判断し、レポートを示してくれる。

●Next:AIエージェントの活用を加速させる基盤とコスト管理、マシンスピードの攻撃者への対応

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