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カクイチ、太陽光発電設備1万7000カ所のデータ異常値をAIで早期検知

2026年10月2日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

太陽光発電設備の設置事業を手がけるカクイチ(本社:長野県長野市)は、全国1万7000カ所超の発電設備の異常値を生成AIで早期に検知し、営業所の担当者にチャットツール「Slack」で自動通知する仕組みを構築した。異常を検知してから現場が動き出すまでの速度が体感で2~3倍になった。BIダッシュボード「MotionBoard」と生成AI基盤「dejiren AI」を提供したウイングアーク1stが2026年10月2日に発表した。

 カクイチは、自社が販売したガレージや倉庫の屋根を借りて太陽光発電設備を設置する「太陽光パートナー事業」を展開している。売電収入はカクイチが受け取り、屋根を貸す施主には賃料としてキャッシュバックする。2013年に始めた事業で、設備は全国1万7000カ所超に広がった。

 ただし、同事業には運用面の課題があった。設備が正常に発電しているかを判断する材料が、電力会社からの売電入金データしかなかった。入金は月次で発生するため、設備が故障しても数字に表れるまでに1カ月以上かかることがあった。

 全物件の入金状況を見られる売上管理ダッシュボードをBIツール「MotionBoard Cloud」で運用していたが、異常を検知する機能は持たせていなかった。また、従来の異常判定は「入金額が前月比50%減」を閾値としていたため、これに満たない発電量の低下は捉えられなかった。

 今回、MotionBoard上に、異常を検知するダッシュボードを作成した(図1)。最新の入金データを前月、前年同月、前々年同月と突き合わせ、差の大きい物件を一次エラー候補として抽出する仕組みとした。また、AIエージェントのノーコード構築ツール「dejiren AI」を導入した。

図1:カクイチが構築した、太陽光発電設備1万7000カ所のデータ異常値をAIで早期検知する仕組み(出典:ウイングアーク1st)
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 異常と判定する基準も変えた。従来は「入金額が前月比50%減」という粗い閾値でしか拾えなかったが、過去データと最新データの傾向を生成AIが比較・分析し、「本当に異常なのか」を判断する仕組みとしたことで、20%程度の変動でも検知できるようにした。また、異常と判定した物件は、判定の理由と根拠となる売電金額の推移データを添えて、dejiren AIがSlackの担当営業所のチャンネルに1件ずつ自動で投稿する仕組みとした。

 取り組みは途上にある。異常検知の一次情報が入金データである以上、検知のサイクルは月次のままである。次の一手として、気象データの取り込みを構想している。積雪や台風の時期といった外部要因を織り込み、季節による正常な変動と本当の異常とを切り分け、空振りに終わる現地訪問を減らす。

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