[事例ニュース]

りそなアセットマネジメント、投信の商品概要書と約款の作成・改定を自動化

2026年10月7日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

りそなアセットマネジメント(本社:東京都江東区)は2026年10月7日、投資信託の商品概要書と投資信託約款の作成・改定業務を自動化する基盤をSnowflake上に構築したと発表した。従来はWordファイルを、対象のファンドごとに手作業で開いて修正していた。新基盤は、ファンド検索、文案作成、一括変更、新旧対照表出力の4機能を備える。

 りそなアセットマネジメントには、投資信託の商品概要書と約款を作成・変更する業務がある。同業務は、ファンドの新規設定時や社内規定の改定、資産運用業協会などからの通知・法令改正にともない頻繁に発生する。

 従来は、担当者がWordファイルを手作業で開き、変更箇所の確認や修正を行っていた。1つの改定通知への対応に数日から1週間程度を要していた。ファンド数に比例して工数が大きくなる構造だった。また、原本となるWordファイルの保管状態や命名ルール、バージョン管理が個人の管理に依存していた。

 今回、既に稼働させているSnowflake環境内に、投資信託情報を集約するデータベースとフォルダ構造を構築し、既存のWordファイルからデータを読み込んで構造化データとして蓄積・一元管理する環境を整備した。このうえで、業務を効率化する4つの主要機能を開発・実装した。

  • ファンド検索機能:商品分類や投資対象地域、運用スタイルなどの属性情報による条件絞り込みに加え、自然言語を用いた柔軟な検索が可能。入力した文脈をAIが検索条件へと補正・変換し、新規作成のベースとなる類似ファンドや修正対象ファンドを特定する
  • 新規作成・個別変更エディタ機能:類似ファンドをもとに投資信託の商品概要書と投資信託約款を新規に作成したり、特定ファンドを個別に修正したりする専用エディタ。変更指示を入力すると生成AIが文章案を自動作成・提案する(画面1)。提案内容は画面上で承認、破棄、直接修正できる。変更箇所と変更内容を示すコメント付きのWordファイルを出力できる
  • 一括変更機能:複数のファンドに共通する変更が発生した際、AIが改定通知文や修正依頼文などから、変更前の文言と変更後の文言を組にした置換ルール案を自動生成する。ルールの適用対象となるファンドの抽出とファイルスキャンはプログラムが実行し、AIの役割を置換ルールの作成に限定することで、ハルシネーション(誤回答)や対象ファンドの抽出漏れリスクを軽減する
  • 新旧対照表自動生成・出力機能:アプリケーション上で加えた約款の変更差分データから、資産運用業協会などへの提出に必要な新旧対照表(変更前後の条文を対比した表)を自動で生成する。新旧対照表は、Word形式で一括ダウンロードできる。これまで手作業で1ファイルずつ作成・比較していた作業の負担を解消する
画面1:新規作成・個別変更エディタ機能の変更提案画面。変更案をAIが提案している(出典:りそなアセットマネジメント、ナウキャスト)
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 基盤は、ナウキャストと共同で構築した。データ基盤からデータベース、作業画面、生成AI機能の呼び出しまでを、すべて既存のSnowflake上で完結させた。GitHub ActionsとSnowflake CLIを使ったCI/CDのワークフローを導入して開発環境と本番環境への配備を自動化した。

 生成AIの使い方は、誤った情報を排除すべきという金融機関の業務原則に基づいて決めた。ファイルのスキャンや対象ファンドの抽出など、確実性が求められる処理はプログラムで実行し、AIは文章案やルールの作成に限って利用する。AIが出力した案は、担当者が最終的に確認して承認する。作業画面には、変更箇所の差分表示、承認・破棄のボタン、直接編集の機能を備えた。

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