[新製品・サービス]

2009年7月29日(水)IT Leaders編集部

リスト

　NECの「RSA enVision powered by Express5800」は、RSAセキュリティ製の統合ログ管理ソフトを、NEC製PCサーバー「Express5800」に搭載した製品。各所に散らばったログを一箇所で集中管理し、ログ同士を自動で突き合わせ、必要なレポートの作成を即座に行うことで、「ログ管理の効率化」と「監査レポート作成コストの削減」を支援する。

　同社によれば、いわゆる日本版SOX法（J-SOX法）の初年度監査の結果、多くの企業がシステム管理者の統制に関する指摘を受けている。また、情報漏洩事件も多発しているが、これらの解決にはログの統合的な分析と活用（統合ログ管理）が有効だという。今回の強化はそうした課題に対応するもので、発表された内容は、以下の2つ。

1. J-SOX法において最重要課題となっているシステム管理者の統制を強化するソリューションの発売
2. 「RSA enVision powered by Express5800」に関する新たなパートナー制度を活用した情報漏洩対策の強化

　強化の具体的な内容は、以下のとおり。

（1）システム管理者の統制を強化するソリューションを発売
　システム管理者はシステムに対して絶対的な権限を有しており、システムの改ざんやデータ持ち出し、ログファイルの改ざんも可能となっている。しかし、一般には「root」や「Administrator」などの共用IDを使用するため、ログの記録から個人を特定することは難しく、内部統制上、より厳格な管理・監視が求められている。

　そこで同社は今回、国内で豊富な実績を持つシキューブ（本社：韓国）の特権ユーザーアクセス制御ソフトウェア「SecuveTOS（シキューブトス）」と、NECの統合ID管理ソフトウェア「WebSAM SECUREMASTER（ウェブサムセキュアマスター）」のログを「RSA enVision powered by Express5800」で収集・分析する仕組みを新たに開発。システム管理者によるデータの持ち出しや不正アクセスを監視し、不正発覚時には迅速に事後追跡することが可能となり、被害を最小限に抑止できるとしている。

　同ソリューションの価格は、特権ユーザーアクセス制御と統合ログ管理で1,280万円（税別）から（管理対象10サーバーの場合）。さらに統合ID管理を追加する場合は、1,460万円（税別）から。8月31日より出荷を開始する。

（2）新たなパートナー制度を活用した情報
　漏洩対策の強化データベースやファイルサーバーには個人情報や機密情報が格納されているため、情報漏洩対策として、ユーザーのアクセスを確実に記録し分析する必要がある。同社は今回、インサイトテクノロジー開発のデータベース監査ツール「PISO」と、網屋が提供するサーバーアクセスログ監査ツール「ALogコンバータ」を「RSA enVision powered by Express5800」とそれぞれ連携させることで、データベースやファイルサーバーに格納されている重要情報へのアクセスの効率的な監視・監査を可能にしたとのこと。

　また、それらの連携を実現するにあたり、同社では、同アプライアンスとの連携に関する開発検証やマーケティング・販売を行うパートナー制度「UDS（Universal Device Support）パートナープログラム」を、「RSA enVision」として日本で初めて新設。第1弾としてインサイトテクノロジーおよび網屋と締結した。

　「UDSパートナープログラム」では、日本市場で広く利用されているアプリケーションを有するソフトウェアベンダとNECがパートナー契約を締結し、ソフトウェアベンダは自社製アプリケーション用UDSの開発・評価およびエンドユーザへのリリースを行い、NECはソフトウェアベンダに対して技術支援と販売支援を行う。

　同社は、関連ビジネスも含め今後3年間で200億の売り上げを目指すとしている。

PISO
http://www.insight-tec.com/products/service_piso.html

ALogコンバータ
http://www.amiya.co.jp/solutions/alog_converter/

「RSA envision powered by Express5800」に関する情報
http://www.nec.co.jp/rsaenvision/

NEC
http://www.nec.co.jp/