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ワークプレイスでの生成AI活用の“現実解”
あるべきクライアント環境、求められる要件とは

2024年8月28日(水)

「人に寄り添う支援」による多面的なメリットがあると評価され、企業での生成AIの採用機運は盛り上がる一方だ。その活用を通じ、人が人でしか行えない仕事に集中することが可能となり、企業の生産性と人の仕事に対するやりがいを大きく高めることが可能となる。レノボ・ジャパン 企画本部 製品企画部 マネージャーの元嶋亮太氏が、その実現に向けたポイントの1つの「クライアント環境のあるべき姿」を解説する。
提供:レノボ・ジャパン合同会社

レノボ・ジャパン合同会社 企画本部 製品企画部 マネージャー 元嶋亮太氏

推論ベースのAI機能をいち早く取り込む先進性

 推論と検索を出発点 に、幾度かの“冬の時代”を経つつもエキスパートシステムへの応用、機械学習やディープラーニングと技術的に進化を遂げてきたAI(人工知能)。そのビジネス適用が生成AIの登場により企業の間で一気に本格化しつつある。

 もっとも、かねてからの“広義”のAIはユーザーが意識しないかたちで身近なツールに着実に取り込まれてきた。例えば、コロナ禍の在宅勤務で普及したリモート会議。そのために利用するWeb会議ツールでカメラ映像の人の背景をぼかしたり、背景を合成したりする技術も推論ベースのAIだ。

 レノボ・ジャパンの元嶋亮太氏(企画本部 製品企画部 マネージャー)は、「コロナ禍を経て従業員のコラボレーションのかたちは劇的に変わりました。コロナが収束してオフィス勤務が回復しつつある現在においても、中・長期的な企業競争力向上の観点からオンラインと対面を最適にバランスさせる動きが続いています。変わり続ける働き方への最適な対応を支援すべく、レノボはThinkPadへの推論ベースの機能の実装 を進めてきました」と解説する。

 オンライン会議参加体験向上の柱となるカメラ映像の処理における、画角や画質の最適化機能もその1つ。マイク音質の最適化のためのノイズキャンセリング技術「Dolby Voice」や、消費電力削減とセキュリティ向上のための離席検知などの人感検知テクノロジーである「Computer Vision」も、それぞれ“声”と“顔”を推論によって認識する点で一致する。

 その上で、元嶋氏は従業員の生産性向上に向け生成AIにも大きな期待を寄せている。これまでにない「人に寄り添う支援」を実現できるようになることが、その一番の理由だ。

従来にない“人に寄り添う支援”を生成AIが可能に

 生成AIはすでにいくつも存在し、それらの共通点として指摘するのが、「データを咀嚼し、味付けを変えて表現することが得意」(元嶋氏)なことだ。応用範囲は、情報探索や議事録作成、文章要約、アイデア出しのための“壁打ち”相手など広範。プロンプトの記述により、例えば専門用語をかみ砕いて誰でも理解できるよう別表現への置き換えを気が済むまで繰り返せるなど、「人がデジタルに合わせる従来技術とは一線を画します」(元嶋氏)。

 その観点での多面的な業務支援に向け、レノボは他社との協業も精力的だ。例えばマイクロソフトの会議ソリューション「Microsoft Teams Rooms」における対応製品の提供である。

 Microsoft Teams Roomsは、マイクロソフトのWeb会議サービス「Microsoft Teams」向けに、会議室専用のコンピューターに加えて 高性能マイクやカメラ、コントローラなどのハードを組み合わせて構成され、レノボでは水平視野角180°を実現する3台の4Kカメラと約6mまで収音可能なマイク、スピーカーを1つの筐体に収めた「ThinkSmart Bar 180」や、オンライン会議専用コンピューター「ThinkSmart Core」などを用意する。この構成において、ThinkSmart Barはビームフォーミングで参加者の声を的確に拾いつつ、ローカルでの推論処理により参加者の顔とトリミングして同一画面で分割表示するテクノロジーを実装。併せてMicrosoft Teams Roomsを活用することで、事前に登録された音声プロファイルを基に話者をクラウド上で識別し、トランスクリプションで「会議室内の誰が発言したのか」まで記録。最終的には、生成AIのCopilotによる会話内容の書き起こしや要約などの機能がMicrosoft 365の機能の一環として提供される(要約には別途追加ライセンスが必要)。

レノボが提供する「Microsoft Teams Room」ソリューション。「ThinkSmart Bar 180」や「ThinkSmart Core」といったMicrosoft Teams Rooms認定デバイスとMicrosoft 365の組み合わせで新たな会議体験を実現する
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 「一人ひとりの参加者にフォーカスした場所の壁を溶かすハイブリッド会議体験を提供するほか、会議終了後の体験、という観点でも、まだまだ日本語の認識精度という点では課題が残りますが、中・長期的には 生成AIの活用で人手による議事録作成は過去のものとなるでしょう。Microsoft Copilot for Microsoft 365では、会議の途中参加者に対し、それまでの議論の要約を提供することもできるので、途中参加者も流れを把握したうえで議論に加われます。結果、従業員は人でしかできないことにより多くの時間を充てられ、かつ、AIによる多様な支援を通じ、働く時間の“密度”を確実に高められます」(元嶋氏)

“クラウド”と“クライアント”でAIを使い分け

 では今後、AIはワークプレイスにどう取り込まれていくのか。元嶋氏は、「クラウドサービス以外に、PCをはじめとするクライアント上での利用など活用形態は広がると考えるのが自然です」と見通す。

 そもそも論として、ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)の生成AIは数百億~数千億のパラメータを有するとされ、その稼働には膨大なITリソースが必要だ。要求を満たすにはクラウド以外の選択肢は現実的に考えにくく、「パブリック」や「プライベート」などの違いはあれ、この領域ではクラウドが引き続き利用され続けるという。

 一方で、「処理の中にはクライアント側で実行した方が望ましいものも少なくありません」と元嶋氏。例えばComputer Visionをベースとした離席検知だ。

 「従業員がPCの前で何をしているのか、という映像データの外部転送はセキュリティやプライバシーの観点で適切とは到底言えません。クラウドベースの仕組みでは必ず通信が発生し、コストとともにレイテンシーも生じてしまいます。対してクライアント側での完結した処理であれば、それらの問題を解消でき、データ移動に伴うセキュリティリスクも格段に抑えられます」(元嶋氏)

 特定のタスクや用途に特化した、大規模言語モデルよりパラメータ数を大幅に抑えた小規模言語モデル(SLM)をここ数年から各社から相次ぎリリースされ、クライアントでの生成AI実行も現実のものとなっている。2024年5月にマイクロソフトがAI利用に適した新Windows PCカテゴリとして「Copilot+ PC」を発表。Copilot+ PCが実装予定の生成AI「Phi Silica」も小規模言語モデルの1つだ。

 「AIの処理に関してはバランスを取りながら、必要に応じてクラウドを利用する使い方が自然かつ合理的です。それに合わせてThinkPadも業務に最適化するかたちに進化していきます」(元嶋氏)

AI時代に備えた技術実装の先進性

 ThinkPadは最新技術の取り込みに先進的で、それがAI時代を見据えた機能のいち早い実装につながっている。コラボレーションでの場所の制約解消を狙いとした、5GサービスなどのWANを含めた多様な無線ネットワークへの対応を通じ、クラウド上のAI基盤をどこからでも利用することが可能だ。

 Copilot+ PCの技術要件で挙げられた「NPU(Neural network Processing Unit)」の搭載も早い。初搭載のThinkPadは、2022年にリリースされたWindows on Snapdragon搭載PCの「ThinkPad X13s Gen 1」に遡る。

 AI処理は一般に、GPUの大量のコアと大容量メモリ空間を生かし、いくつもの処理を同時並行で走らせることで実施される。ただし、高性能なディスクリートGPU(独立したGPU)は電力を大量に消費するため、電源容量が限られたノートPCには不向きなことが難点だ。とはいえCPUによる処理では、GPU比で数十倍もの時間を要してしまう。

 NPUはそこでの打開策だという。IoT領域でのローカル処理を狙いとしたFPGA(Field-Programmable Gate Array)を起源に、推論処理に特化して機能が磨かれ、その経緯から 推論処理を大幅に低い消費電力で実施できる。

 各社からCopilot+ PCはリリースされているが、レノボでは、数年以上にわたるWindows on Snapdragon製品開発とエンドユーザーへの提供で培ってきた経験をもとに、2024年8月6日、ThinkPadで初めてのCopilot+ PCをリリース。それが、「ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragon」である。

 元嶋氏はThinkPad T14s Gen 6 Snapdragonについて、「ビジネスの生産性向上に寄与し、安心して利用でき、環境が変化し続ける中でビジネス革新をもたらす点で、31年以上にわたって提供を続けてきたThinkPadと何ら変わりはありません」と紹介する。

ビジネス向けCopilot+ PC「ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragon」

AI活用が当たり前の時代の“あるべき”PC像とは

 その中での“Copilot+ PCとして”の明確な特徴が、ローカルでの高速AI処理を可能とする、約45TOP(45テラオペレーション)のNPU性能だ。マイクロソフトではCopilot+ PCの要件として、「40TOP以上のNPU性能」の他に「16GB DDR5/LPDDR5のRAMの搭載」「ストレージデバイス256GB SSD/UFS以上」なども挙げ、新製品はそれらも当然クリア。現在、Copilot+ PCの要件を満たすチップセットはARMベースのQualcommのSnapdragon X EliteやX Plusに限られるが、先に説明したThinkPad X13s Gen 1の開発経験を基に、X86ベースのCPUを搭載したPCの体験を踏襲した、ビジネス利用を前提とした管理機能も豊富に用意する。

 「Snapdragon X Eliteはモバイル向けのプロセッサーに強みを持つQualcommが手掛けるだけに消費電力も低く、バッテリーの“持ち”が良いのもポイントです」(元嶋氏)

Copilot+ PCの要件仕様

 Copilot+ PC準拠のPCには標準でいくつものAIを利用した機能が用意されている。そのうち、業務への貢献で元嶋氏が期待を寄せているのがカメラ映像へのAI効果の適用が可能な「Windows Studio Effects」と、これから機能追加が予定されている「リコール」だ。このリコールとは、PC画面を定期的に取得し、取得日時や画面上の文字、画像データなどのデータをテキスト化してデータベース化することで、過去の操作の検索を実現する機能。自然言語による抽象的な指示で目的のファイルを見つけることが可能になる。例えば、「先週田中さんと一緒に会議でレビューしたパワーポイント資料」といった指示で当該ファイルを見つけることができる。

 「カメラ映像へのAI適用はコラボレーション時のライブ感の向上に効果的です。リコールは今後のWindows Updateを通じて提供が予定されていますが、欲しい資料を記憶頼りに探した経験は誰にもあるはず。そうした捜し物での無駄な時間の削減で大いに力を発揮するでしょう」(元嶋氏)

 また、サードパーティアプリケーションの対応についても今後の動向に注目したい。マイクロソフトが今後提供予定の、Copilot+ PCの機能をアプリケーションの部品として利用できる「Windows Copilot Runtime」などの開発支援機能は、そこでの大きな追い風になると元嶋氏は高く評価する。

 「AI活用の程度は企業ごとに現状、少なからぬバラツキがありますが、AIによるアプリの見直しも含め、すぐにでも活用を計画しているのであれば今回の新製品がお勧めです。マイクロソフトのランタイムの中にはOCRなど、システム改善で活用が見込まれる機能も数多く用意されており、そうした新機能をいち早く活用し、ノウハウを早期に蓄積することは新たな差別化にもつながります」(元嶋氏)

 生成AIによりPCのあるべき姿は大きな変化を迎えている。ThinkPadはその中で、今後も“ビジネスで選ばれるべきPC”であり続けるはずだ。

Windows Copilot Runtimeが提供予定のAI機能の例
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●お問い合わせ先

レノボ・ジャパン合同会社
URL :https://www.lenovojp.com/business/

ワークプレイスでの生成AI活用の“現実解” あるべきクライアント環境、求められる要件とは「人に寄り添う支援」による多面的なメリットがあると評価され、企業での生成AIの採用機運は盛り上がる一方だ。その活用を通じ、人が人でしか行えない仕事に集中することが可能となり、企業の生産性と人の仕事に対するやりがいを大きく高めることが可能となる。レノボ・ジャパン 企画本部 製品企画部 マネージャーの元嶋亮太氏が、その実現に向けたポイントの1つの「クライアント環境のあるべき姿」を解説する。
提供:レノボ・ジャパン合同会社

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