[調査・レポート]

国内製造業の83%がサポート終了/対象外のOSを使用、68%は過去1年間にサイバー被害─BlackBerry調査

2023年8月30日(水)IT Leaders編集部

カナダBlackBerry日本法人のBlackBerry Japanは2023年8月29日、製造業におけるサイバーセキュリティのグローバル調査結果を発表した。国内の製造業の83%がサポートが終了したOSを使い続けており、サイバー攻撃の脅威に晒されていることが判明した。実際に、回答者の3分の2以上(68%)が過去1年以内にサイバー攻撃を受けたと回答している。

 BlackBerryは、製造業のIT意思決定者(グローバル全体1500人、国内250人)を対象に、サイバーセキュリティの状況を調査し、その結果を発表した。

 国内の回答者の82%が、2023年のサイバー攻撃リスクがこれまでと同様もしくは上昇すると予測している。同時に、61%はITよりもOT(Operational Technology)のセキュリティ対策が困難だと回答している。国内の72%(グローバル75%)は製造業に対する国家による攻撃を恐れており、57%(グローバル65%)は外国政府によるスパイ活動を懸念していることもわかった。

国内製造業の8割がサポート終了/対象外のOSを使い続ける

 サポートが終了したOSなど、セキュリティリスクが高いレガシーシステムに関する項目で、国内の回答者の59%がクラウドへの移行を開始していると答えている。一方、83%はWindows 7/8などサポート終了/対象外のOSを自社で運用し続けている。また、61%はセキュリティリスクに関連する理由から、古いハードウェアのOSの更新を制限している(図1)。

図1:現在も継続して稼働しているOS(出典:BlackBerry Japan)
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 これらの企業はサイバー攻撃の脅威に晒されている。実際、回答者の3分の2以上(68%)が、過去1年以内にサイバー攻撃を受けたと回答している。

 また、調査では、国内回答者の70%はサイバー攻撃に起因する顧客の損失を危惧し、半数以上(57%)はサプライヤーとの関係への影響を挙げている。

 国内回答者の71%は、セキュリティ侵害のコストを約3500万円以下と考えている。一方、最近発表された調査レポートでは、産業セクターのデータ侵害に関する平均コストを、3500万円の約17倍に相当する約5億9400万円と算出している。

製造業はマルウェアなど事業継続を阻害する脅威を懸念

 図2は、OTに対して回答者が懸念する主なサイバーセキュリティ脅威を尋ねた結果だ。国内回答者が懸念するサイバー攻撃の1位は悪意のあるマルウェア攻撃で78%を占める。グローバル(56%)に比べて高い傾向が表れた。これに、フィッシング攻撃(69%、グローバル49%)、悪意のある内部関係者による不正アクセス(56%、グローバル45%)が続いた。

図2:OTに対して回答者が懸念する主なサイバーセキュリティ脅威(出典:BlackBerry Japan)
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 「グローバルとの比較から、日本は事業継続を阻害し産業に損害を与える脅威に対する懸念の高さが顕著である。BlackBerryの四半期脅威インテリジェンスレポートでも、日本が世界で最もサイバー攻撃の標的になっている国の1つであることを示している」(BlackBerry Japan)

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