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[調査・レポート]

受領した適格請求書の2割に不備、適用税率の記載漏れなどが多く発生─Sansan調査

インボイス制度初月の月次決算が終了

2023年11月21日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

Sansanは2023年11月21日、インボイス制度初月の月次決算が終了したタイミングで、同社ユーザー調査によるインボイス制度に準拠した適格請求書の要件を満たしていなかった項目のトップ5を発表した。請求書受領クラウドサービス「Bill One」で受領した請求書を対象に、同サービスの「適格請求書判定機能」を用いて判定した。要件を満たさなかった請求書は2割(19.9%)で、5件に1件の請求書で不備があった。不備が多い項目の上位3項目はいずれも消費税率・税額の記載に関する項目だった。

 Sansanは、インボイス制度初月の月次決算が終了したタイミングで、同社ユーザー調査によるインボイス制度に準拠した適格請求書の要件を満たしていなかった項目のトップ5を発表した。請求書受領クラウドサービス「Bill One」で受領した請求書を対象に、同サービスの「適格請求書判定機能」を用いて判定した(関連記事請求書管理クラウド「Bill One」、受領した請求書が適格請求書の要件を満たしているかを自動判定)。

 同社では、ユーザーがBill Oneで受領した請求書について、適格請求書判定機能による判定結果を保存している。今回、11月の初3営業日(1日、2日、6日)の間にBill One上で受領した請求書の判定結果を公表した。

図1:不備が多かった項目トップ5と、請求書における実際のイメージ(出典:Sansan)
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 適格請求書の要件を満たしていなかった請求書は、対象とした請求書の2割(19.9%)、5件に1件の請求書で不備があることがわかった。要件を満たしていなかった請求書の中で、不備となった項目の上位3項目は、1位「適用税率の記載がない」(38.9%)、2位「税率ごとに区分した消費税額の記載がない」(21.5%)、3位「税率ごとに区分して合計した対価の額の記載がない」(11.3%)で、いずれも消費税額や税率の記載に関する項目だった(図1)。

 なお、2023年11月にSansanが実施した別の調査でも、「税率の記載漏れ」や「税率ごとの消費税額が表記されていないこと」などを指摘するユーザーの声が挙がっていた(関連記事インボイス制度で経理担当者の業務が1人あたり月12時間増、非経理部門の業務も増加─Sansan調査)。

 不備となった項目の4位は「消費税の計算に誤りがある」(9.6%)で、「消費税を計算しないといけないのが面倒(IT・情報通信業)」という回答があった。「消費税額などの端数処理は、税率ごとに区分した消費税額などに1円未満の端数が生じる場合、適格請求書単位で税率ごとに1回の端数処理が必要。システムを使わない場合、手作業で確認するのに手間がかかる」(同社)。

 5位は「取引年月日の記載がない」(6.3%)で、「取引年月日がないものが多くて困った(小売業)」という声が上がった。「取引年月日の場合、請求書を発行する企業によって和暦表示や西暦表示など記載が異なることから、記載があっても慎重な確認が必要である」(同社)。

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