[市場動向]

歩行パターン解析AIで認知症やパーキンソン病を早期発見─富士通と台湾Acer Medicalが共同開発

2025年中に台湾全土の高齢者ケア施設に導入

2025年7月17日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

富士通と台湾Acer Medicalは2025年7月16日、骨格認識AIで高齢者の歩行パターンの異常を検出し、認知症やパーキンソン病などの早期把握を支援するシステム「aiGait(エーアイゲイト)powered by Uvance」を共同開発すると発表した。実証実験の後、2025年中にAcer Medicalによる台湾全土の高齢者ケア施設への導入を予定している。

 富士通と台湾Acer Medicalは、骨格認識AIで高齢者の歩行パターンの異常を検出し、認知症やパーキンソン病などの早期把握を支援するシステム「aiGait(エーアイゲイト)powered by Uvance」を共同開発する。実証実験の後、2025年中にAcer Medicalによる台湾全土の高齢者ケア施設への導入を予定している(図1)。

図1:「aiGait」powered by Uvanceの提供イメージ(出典:富士通、台湾Acer Medical)
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 Acer Medical(宏碁智醫)は、2018年に設立された台湾Acer(エイサー)グループの子会社。予防医学を中核領域に、Acerグループ傘下の強みを生かして、医療AIや、as a Service型の医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)開発に特化して、AI医用画像判読技術などに取り組んでいる。

 両社の発表によると、台湾では65歳以上の認知症患者数が2024年に約35万人いて、2041年には約68万人に達する見込みという。「疾患の進行を鈍化させるには早期の治療開始が重要で、高齢者のライフスタイルに溶け込んだかたちで、容易な早期発見手段の需要が大きい」(両社)。

 しかし、従来の健康状態の評価方法であるTUGテストは、現場担当者のマニュアル作業に依存しており、評価者の経験や主観によって結果にバラつきが生じていたという。

 共同開発では、Acer Medicalのモバイルシステム「aiGait」に、富士通の骨格認識AIモデルの統合を試みる。これにより、立つ・座る・歩くなどの日常的な人の動作を、医学的に意味のある情報に変換し、介護者や医療従事者による病気の早期発見を支援するとしている。

●Next:台北市の国立病院で実施する実証実験の内容

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