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コンタクトセンターのカスハラ対策に特化した「AmiVoice」のAI音声認識パッケージ─アドバンスト・メディア
2025年7月18日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
アドバンスト・メディアは2025年7月17日、コンタクトセンター向け音声認識ソフトウェア「AmiVoice Communication Suite」において、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策に特化したパッケージの提供を開始した。実際のユーザーがカスハラ対策として適用している設定情報や、500社以上の導入実績から得たノウハウを反映している。生成AIで通話内容を事後分析する機能なども備わっている。
アドバンスト・メディアの「AmiVoice Communication Suite」は、コンタクトセンター向けの音声認識ソフトウェアである。顧客とオペレーターの音声通話を日本語テキストに変換して管理する。通話品質をスコア化する機能や、音声データから感情を解析する機能なども備える(関連記事:音声から感情を把握できるコールセンター向け音声認識ソフト─アドバンスト・メディア)。

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今回、AmiVoice Communication Suiteにおいて、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策に特化したパッケージを提供する。主要な6つの機能をカスハラ検知と対策用にカスタマイズし、コンタクトセンター向け生成AI「AOI LLM」のカスハラ情報抽出モデルを組み合わせている。カスタマイズには、実際のユーザーがカスハラ対策として適用している設定情報や、500社以上の導入実績から得られたノウハウを反映した。
通話中の暴言・罵声など、不適切な発言を即座に検知し、オペレーターに対して適切な対応指針をポップアップ表示する。また、過去の特別対応を理由に同様の対応を求めるなどの不当な要求を防ぐための「顧客対応を統一する」対応や、スピード感を重視する顧客に冗長な応対をしない「顧客タイプに応じたアプローチ」など、シーンごとの具体的な応対ポイントやトークスクリプトを表示する。

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カスハラワードを含む発話や通話時間に基づいて、カスハラ傾向の強い通話を検知し、管理者にアラートを通知する(画面1)。オペレーターの負荷状況を管理者が把握し、声をあげにくい状況でもカスハラの早期発見と適切なフォローが可能になる。
例えば「暴言・罵声」「通話時間が平均より長く1時間以上」などの条件に該当した場合、アラートを管理者に通知する。オペレーター自身が「カスハラを受けている」と判断した場合も、手動で管理者にヘルプを要請できる。
検知したカスハラ通話に対し、「カスハラ可能性」などの通話タグを付与する機能が備わっている。カスハラ関連のタグを付与した通話を容易に絞り込めるため、オペレーターのスキルに関わらず、該当する通話を同一基準で抽出できる。また、蓄積したカスハラ通話を元にパターン別の応対方法を共有することで、応対内容の改善やオペレーター教育に役立てられる。
カスハラレベルの判定に生成AIを利用している。コンタクトセンター用途に特化した大規模言語モデル(LLM)である「AOI LLM for AmiVoice Communication Suite」を用いて、通話ごとにカスハラレベルを6段階で判定する。カスハラと判断した理由・根拠となる発話、要約した顧客のニーズを抽出し、そこから再発防止に向けた改善点を検討することができる(関連記事:アドバンスト・メディア、コンタクトセンター業務に特化した生成AIソフトウェア「AOI LLM」を発表)。