Sansanは2023年11月20日、インボイス制度開始後の実態を調査した結果を発表した。経理担当者の70.2%がインボイス制度対応に課題を感じており、同制度開始前よりも経理担当者1人あたり月12時間ほど業務が増えている。経理以外の部門においても69.8%が制度開始によって工数が増えたと感じており、経理部門だけでなく全社的に業務負担が増えている。
Sansanは、インボイス制度開始後の実態について、請求書関連業務に携わる1000人(経理部門500人、経理以外の部門500人)を対象にオンラインで調査した。同制度開始後初めてとなる2023年10月分の月次決算業務が終了したタイミングで、2023年11月6日~11月8日にかけて調査した。
主な課題は「請求書業務の負荷増大」
経理担当者500人に対して、インボイス制度への対応に何らかの業務課題を感じているかを聞いたところ、「課題を感じた」と答えた人は70.2%だった。多くの担当者がインボイス制度対応への課題を抱えていることが分かった。
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請求書の受領について特に課題を感じたことも聞いた。1位は「請求書業務の負荷が増えた」(39.2%)、2位は「社内理解が不十分で混乱が生じた」(28.6%)だった。また、業務時間が増えたことによって他の業務への影響が生じていることも分かった(図1)。
このほか、「受領した請求書が適格請求書ではなかった」「適格請求書かどうかの判定が困難」といった項目が上位に挙がった。コメントには「請求書によって登録番号が記載されている箇所が違うので、確認に時間がかかる(金融業)」「インボイス制度に関する知識を現場に周知するのに課題を感じた(小売業)」「受け取った請求書が適格請求書かどうか判断するのが難しい(広告業)」などが挙がった。
請求書の確認方法は「経理担当者が目視確認」が最多
取引先から受け取った請求書が適格請求書の要件を満たしているかについて、どのように確認しているか聞いた。約7割は「経理担当者による目視確認」だった。「適格請求書に求められる要件は、項目が多いうえに内容が複雑であるため目視で確認すると多くの時間がかかる」(Sansan)。一方、登録番号の確認を特にしていないと回答した人も15.0%おり、受け取った請求書が適格請求書かどうかの確認を行っていない人も一定数いた(図2)。
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インボイス制度の開始に伴い、経理担当者が月次決算業務にかける時間が、1人あたり月平均11.9時間ほど増えていた。「前月分の請求書を短期間で処理する必要がある月次決算時期に業務時間が増えることは、経理担当者にとっては大きな負担となる」(同社)。
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