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佐賀銀行、顧客への手続き完了通知を自動化、iPaaSで勘定系システムとデータ連携

2025年8月20日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

佐賀銀行(本店:佐賀県佐賀市)は、顧客がスマートフォンアプリから行った手続きの完了通知メールの送信を自動化し、業務効率化を図っている。セゾンテクノロジーのiPaaS「HULFT Square」を用いて、勘定系/行内情報系/メール送信の各システムを連携させ、2024年8月より本番業務で利用している。セゾンテクノロジーが2025年8月20日に発表した。

 佐賀銀行は、佐賀県を中心とする九州地方に地盤を持つ地方銀行。「さぎん(佐銀)」の略称で、地域密着型の金融サービスを提供している。店舗は福岡県、長崎県、東京都を含めて103店舗を構えている。

 金融サービスのデジタル化に注力しており、2023年12月には刷新したスマートフォンアプリ「さぎんアプリ」をリリース。顧客はアプリから新規口座開設や残高照会、入出金明細確認などが行える。

 このアプリで、顧客は住所変更などの登録済みのデータを変更できるが、同行の側ではデータ変更の完了通知メールを手作業で送信しており、通知の遅れや担当者の業務負荷が問題になっていたという。IT統括部副部長の林田浩明氏は次のように振り返る。

 「本人確認書類をチェックしたうえでメールアドレスに誤りがないかなどを確認し、定型のメールを書いて送信する。1件あたり15~30分はかかる。この作業を1日に30~50件こなすため、人員を1~2人配置しなければならない状況だった」

 そこで、セゾンテクノロジーのiPaaS(Integration Platform as a Service)「HULFT Square」を導入し、メール送信システムを勘定系システムとデータ連携させ、メールによる顧客への通知を自動化した。ローコードで設定できることから、構築作業は1カ月未満で済んだという。テストを経て、2024年8月より本番業務で利用している。

図1:佐賀銀行が構築した、顧客へのメール送信を自動化する仕組み(出典:セゾンテクノロジー)
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 図1はデータ連携のフローである。アプリで住所変更などを行うと、勘定系システムからデータを抽出し、佐賀銀行内の情報システムを経由してHULFT Squareのストレージにデータを転送。定時のバッチ処理で整合性をチェックし、問題がなければメール送信システムから顧客に完了通知を送信する。問題がある場合は行内システムにアラートを返す仕組みである。

 今回構築したメール送信自動化の仕組みは、顧客へのダイレクトメールなど行内の他の業務にも利用できる。利用部門がプロモーションを実施する際、データさえ準備すればよく、自動でメールを配信してくれるという、手軽で迅速なマーケティング活動が可能になったとしている。

 佐賀銀行は、メール送信の自動化だけでなく、クラウド同士あるいはクラウドとオンプレミスの連携も拡大していく計画である。林田氏によると、顧客向け商品の販売にあたり、運用する証券会社との間で顧客情報を安全にやり取りする仕組みを、Microsoft 365の「SharePoint」とHULFT Squareを用いて、すでに構築済みという。

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