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大成建設が「建設承認メタバース」の開発に着手、3D仮想空間で関係者間の合意を形成

2023年9月8日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

大成建設(本社:東京都新宿区)は2023年9月8日、クラウド上に建築物のメタバース(インターネット上の仮想空間)を構築し、発注者や施工者など関係者間のコミュニケーションを円滑化する取り組みについて発表した。システムとして「建設承認メタバース-CONSTRUCTION CONTRACT-」(略称:C2QUEST)を日立コンサルティング、GlobalLogic Japan、日立社会情報サービスの3社と共同で開発する。

 大成建設は、建築物の発注者や施工者など関係者間のコミュニケーションと合意形成を円滑化するため、クラウド上に建築物のメタバースを構築する。システムとして「建設承認メタバース-CONSTRUCTION CONTRACT-」(略称:C2QUEST、写真1)を日立コンサルティング、GlobalLogic Japan、日立社会情報サービスの3社と共同で開発する。

写真1:「建設承認メタバース」イメージ紹介動画の一部(出典:大成建設)
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 建築物の意匠・構造・設備などのデジタルデータを収めた3D建物モデルのBIM(Building Information Modeling)を基に、クラウド上に建築物のメタバースを構築する。関係者(発注者・設計者・施工者)間での合意形成に必要なデータなど、建築物に関する情報を一元管理する。発注者への説明から承認までをシステム上で完結させる。

 BIMの操作に慣れていなくても、3D仮想空間で建物の詳細を容易に確認でき、関係者間でイメージを共有しながらコミュニケーションをとれる。承認プロセスをシステム化し、議事録を自動で作成する。確定した情報が明確になることで、建築物の早期竣工が可能になるとしている。

 「建設業でBIMの活用が広がる一方、施工現場では紙での資料作成や目視重視の確認作業など、慣習に基づく業務様式が続いている。デジタルに習熟した作業員も不足している」(大成建設)

 同社は、建築プロジェクトでは手戻りや工程の再調整を減らすうえで、関係者間での合意形成の円滑化が重要であると指摘する。「発注者への説明や仕上げの仕様決定などの建設承認を得る過程で、関係者相互の認識の相違をなくし、速やかな合意形成につなげるため、情報の一元管理が求められている」(同社)。

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