日立ソリューションズ・クリエイトは2024年4月23日、「従業員エンゲージメント育みサービス」を同年6月10日から提供すると発表した。経営層・従業員間の自発的・継続的なコミュニケーションを支援する。社内SNS、組織の状態を把握するダッシュボード、社員同士のコミュニケーションを促進するコンシェルジュなどの機能を備えている。今後、エンゲージメントの状態を計測するサーベイなどの提供を検討している。
日立ソリューションズ・クリエイトの「従業員エンゲージメント育みサービス」は、経営層・従業員間の自発的・継続的なコミュニケーションを支援するサービスである(画面1)。
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同サービスは、(1)社内SNS「エンゲージメントスクエア」、(2)組織の状態を把握する「ダッシュボード」、(3)社員同士のコミュニケーションを促進するコンシェルジュ「執じぃ」、(4)社員の顔写真をコメントとともにランダムに表示する「はぐくみスペース」の4機能で構成する。今後、エンゲージメントの状態を計測するサーベイなどの提供を検討している。
(1)エンゲージメントスクエア
経営層からの気軽な発信を実現する社内SNS/コミュニケーションサービス。SNSの感覚で気軽に発信し、リアクション/返信できるUI/UXが特徴。経営層が自分の言葉で“つぶやく”、従業員が自分の思いを直接経営層に伝えるといった場となる。「企業と個人の目標やビジョンのすり合わせの機会を増やすことができる」(同社)。
(2)ダッシュボード
サービスの利用状況(コメントやリアクションの発生状況やログイン率など)のほか、勤務時間や勤務場所など組織の状態を把握するために必要な情報をダッシュボードに表示する。会社全体・部署ごとの状態を把握でき、タイムリーなフォローや対応の検討が可能になる。
(3)執じぃ
サービス上に設けたキャラクターで、経営層と従業員をつなぐコンシェルジュである。会話の“お題”を提示してコミュニケーションを促す/経営層の代わりに情報を伝える・意見を受け付けることが可能。「コミュニケーションを事務的・機械的なものではなく、キャラクターを介して人間味のあるものとすることで、経営層と従業員のコミュニケーションの距離感を縮め、企業理念が浸透しやすい組織風土を醸成する」(同社)。
(4)はぐくみスペース
組織全体のコミュニケーションの活性化を支援する。社員の顔写真アイコンを入力コメントと共にランダムに表示する。コメントに返信やリアクションを行うことで、組織や職位、働く場所を越えた偶発的なコミュニケーションの創出を支援する(画面2)。
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サービス投入の背景を次のように説明している。「従業員エンゲージメントが企業価値を評価する指標として注目されている。その向上のためには、企業理念の浸透、企業と個人の目標やビジョンのすり合わせ、コミュニケーションの活性化などのアプローチが必要である。しかし、日本は海外に比べて従業員のエンゲージメントが低い。組織の規模が大きくなると、企業理念などの浸透も容易ではない」。
日立ソリューションズ・クリエイトは、2015年の会社合併を機に、従業員の働きがいに着目し、各種の取り組みを実施してきた。2020年には、離れて働く従業員が一体感をもって働けるように「仮想オフィスサービス」を自社開発・導入し、2022年4月からは外販している(関連記事:「仮想オフィスサービス」にTeamsとPowerBIの連携機能を追加─日立ソリューションズ・クリエイト)。
「ユーザーの声からは、仮想オフィスサービスのコミュニケーション機能が従業員同士の交流だけでなく経営層と従業員の交流を生み、結果として従業員エンゲージメントの向上に効果があることが分かってきた」(同社)という。