エクサは2026年9月30日、製造業に向けたAI-OCRツール「BEAVEL(ビーベル)」を発表した。図面やカタログに載っている製品情報を抽出するとともに、表記揺れや単位を統一し、PIMなどの業務システムで利用できる形式に整える。
エクサの「BEAVEL(ビーベル)」は、製造業向けのAI-OCRツールである。生成AIを利用し、図面やカタログに載っている製品情報を、文書内の項目の意味や表・レイアウトの構造を捉えたうえで抽出する。さらに、表記揺れや単位を統一し、PIM(商品情報管理)などの業務システムで利用できる形式に整える(図1)。
図1:BEAVELを使って製品データを整備する工程のイメージ(出典:エクサ)拡大画像表示
AIが抽出した結果を人が画面上で確認し、誤認識や例外を修正する機能も備える。また、整備したデータは、CSVに加工することなくAPIを通じてPIMに直接登録できる。抽出結果や修正履歴を学習してプロンプトを自動調整する自己学習機能も備える。
PIM導入時のデータ整備だけでなく、PIM導入後に発生する新製品の登録や、仕様変更にともなう更新作業にも使える。また、PIMを導入していない企業でも、現在の製品データを構造化しておくことで、将来のPIM導入に備える基盤として利用できる。読み込む対象として、図面、仕様書、カタログ、PDF、表計算ファイル、画像などを想定している。
エクサが支援した精密機器メーカーのプロジェクトでは、製品カタログから3万件の商品情報を目視で抽出・補正するのに10カ月、計60人月を要した。OCRを導入した電気メーカーのプロジェクトでも、結果の確認・修正に6カ月、計24人月がかかった。
エクサが実施した実験では、非定型データから製品情報を抽出する精度が70%から97%に上がり、データ整備に要する工数が手作業と比べて73%減った。カタログ1ページ(約30アイテム、約200項目)の処理時間は、従来の42分から10分30秒へと短くなった。
今後は、製品情報だけでなく、ERP、サプライチェーン管理、顧客関係管理などの業務システムにも対象を広げる。購買情報、顧客の活動履歴、VOC(顧客の声)など、社内に分散するデータの統合を進める。統合したデータをAIエージェントが活用することで、自動設計や見積もり、需要予測などの業務にもつなげる予定である。
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