九州旅客鉄道(本社:福岡県福岡市)では、プログラミング経験のない社員が生成AIを使って業務アプリケーションを内製している。グループウェア「Google Workspace」の生成AI機能「Gemini」にコードの9割以上を書かせ、車両データの可視化アプリと勤務シフトの自動生成アプリを2~3カ月で完成させた。グーグル・クラウド・ジャパンが2026年10月30日にブログで事例を公開した。
九州旅客鉄道(JR九州)は、鉄道事業に加えて、駅ビル商業施設、不動産、ホテル、流通・外食などの事業を展開している。2025年9月には、生成AI機能を備えたグループウェア「Google Workspace with Gemini」のPoCを始め、現場部門の約30人が参加した。PoCの後、約400アカウントで実運用を始めた。
運用開始後は、エンジニアではない社員がGeminiを使い、業務改善アプリケーションの開発やWebページの制作・改善を内製するようになった。
運輸部企画課では、エンジニア経験のない担当者が業務改善アプリケーションを2本内製した。いずれも、PythonのWebアプリケーション部品「Streamlit」を使って構築した。コードの9割以上はGeminiが生成した。自然言語で要件を伝え、出力コードを検証して改良を依頼する作業を繰り返し、2~3カ月で完成させた。
最初に作ったアプリケーションは、営業運転中の車両データをリアルタイムで分析・可視化するWebアプリケーションである(画面1)。以前は、検査を一定間隔でしか実施できていなかったほか、蓄積データをあまり活用できていなかった。
画面1:車両センサーデータを可視化・分析するアプリケーションの画面(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)拡大画像表示
次に作ったアプリケーションは、社員の勤務シフトを自動生成するアプリケーションである(画面2)。鉄道会社の勤務は、夜勤や休日当番といったシフト、個人のスキルなど考慮すべき項目が多い。単に枠を埋めるのではなく、個人の負荷やスキルに応じて最適なシフトを組めるようになった。条件を変えれば他の部署にも転用可能である。
画面2:複雑な条件が絡む勤務シフトの作成を支援するアプリケーションの画面(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)拡大画像表示
また、営業部ではWebページ制作業務を内製に切り替えた。ランディングページのたたき台をGeminiに作らせている。以前は手書きで時間をかけてラフを書いていたが、「こういうページを作りたい」と指示するだけで複数のサンプルが得られるようになった。
Webページの改善により、予約の導線も変えた。従来はトップページから予約サイトに誘導し、改めて区間と日付を入力してもらっていた。Geminiで新たに作成した区間別の紹介ページに検索窓を設け、日付と時間を入力すると実際の予約手続きまで一気に進められるようにした。
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