[イベントレポート]

AIがUIになる─NetSuiteが描く、基幹業務を自律化する「次世代型ERP」の姿

NetSuite SuiteWorld 2026

2026年10月29日(木)愛甲 峻(IT Leaders編集部)

米オラクルは2026年10月25日~28日(米国現地時間)、米国ラスベガスにて、クラウドERP「Oracle NetSuite」にフォーカスした年次カンファレンス「SuiteWorld 2026」を開催している。1日目のオープニングキーノートには、ネットスイート創業者兼EVPのエバン・ゴールドバーグ氏が登壇。昨年発表した「NetSuite Next」の新機能を中心に、ERPをAI活用の基盤へと再定義する、“次世代のERP”の具体像を提示した。

従来のERPから、AIを前提とした次の世代のERPへ

 米オラクルは、クラウドERP「NetSuite(ネットスイート)」の年次プライベートイベント「SuiteWorld 2026」を、2026年10月25日~28日に米国ラスベガスで開催した(写真1)。NetSuiteはクラウドERPの先駆的存在として知られ、中小企業や成長企業を中心に、グローバルで4万4000以上のユーザーを持つ。

写真1:昨年に続き、SuiteWorld 2026の会場となった米ラスベガスのシーザーズフォーラム(Caesars Forum)。なお基調講演は「Oracle AI World 2026」の会場であるベネチアン・コンベンション&エキスポセンター(The Venetian Convention&Expo Center)にて行われた

 今回のテーマは「Ready for Next」。オープニングキーノートに登壇した、ネットスイート 創業者 兼 エグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)のエバン・ゴールドバーグ(Evan Goldberg)氏(写真2)は冒頭で、AIの急速な進化と広がりを受けて「私たちが知る、これまでのERPは終わりを迎えようとしている」と語った。

 「当社はERPをビジネス全体を運営する1つのスイートとして再定義し、クラウドで構築した最初の企業だ。そしてAI時代に向け、我々はもう一度、ERPを再定義している」(ゴールドバーグ氏)

写真2:ネットスイート 創業者 兼 エグゼクティブ・バイスプレジデントのエバン・ゴールドバーグ氏

 昨年のイベントでは、NetSuiteの“次世代版”を謳う、AIを全面的に統合した「NetSuite Next」を発表。対話型インターフェース「Ask Oracle」を介した操作をはじめ、AI時代のERPのあり方を強く印象付けた。NetSuite Nextは2026年7月に米国とカナダで段階的な提供を開始し、英国、オーストラリアではプレビュー版の利用が始まっている(関連記事:次世代ERPを駆動する「AIとの対話」─AIを全面統合した「NetSuite Next」を発表)。

 今回、テーマに掲げた「Next」はNetSuite Nextを指すと同時に、ERPそのものの進化を意味していると考えられる。人が画面を操作して業務を進める従来のERPから、生成AI/AIエージェントが所定の権限のもとで人と協働し、業務プロセスを遂行する「次世代型ERP」への進化だ。NetSuiteやAIを適切に業務に組み込み、その能力を生かすための基盤として再定義しようとするメッセージが読み取れる。

 ゴールドバーグ氏は、「AIから利益を得るのは、いま行動を起こす企業だ」と力説。かつて業務アプリケーション領域のSaaS市場を開拓し、クラウドERPの利便性を届けてきた経験に触れつつ、多くの企業にとって「次のステージ」となるAI活用を後押しすると語った。

 NetSuiteの特徴の1つが、財務や顧客、在庫、プロジェクトなどの異なる要素を、共通のデータモデルとデータベースのもとで一元的に扱うアーキテクチャである。AIがこれらのデータやワークフロー、ロールや権限をビジネスコンテキストとして活用することで、業務の実態に即した回答や分析の精度の向上が可能となる。ゴールドバーグ氏はNetSuiteがAIにとっての「信頼できる唯一の情報源」となるとして、その優位性を強調した。

●Next:NetSuite上の定型タスクを外部のAIが実行できる新機能

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