厚生労働省の公文書監理・情報公開室は、開示請求や審査請求を処理する負担を軽減するため、紙の申請書をテキスト化するAI-OCRと、過去の事例や関連文書を検索して回答を生成するRAG型の生成AIを導入した。システムの構築を担ったシステムエグゼが2026年10月29日に発表した。
厚生労働省 大臣官房 総務課 公文書監理・情報公開室(以下、情報公開室)は、開示請求、審査請求、審理手続の業務を所管している。申請の多くは紙媒体で届き、手書きの書類も多い。職員はこれらを1枚ずつ目で読んで内容を確認していた。関連文書を確認する際も、単なるキーワード検索では文書全体の内容を踏まえて探すことが難しかった。
情報公開室は、これらの課題を解決するため、AI-OCRとRAG(検索拡張生成)型の生成AIを導入した。紙媒体の手書き文字をAI-OCRでテキスト化し、テキスト情報を含んだPDFファイルに変換する。これにより、検索やコピーができるようになった。
RAGで検索するデータベースは、類似検索によって意味が近い記述を検索できるように、「Oracle Autonomous AI Database」のベクトルデータベース機能を使った。対話型の生成AIには「OCI Enterprise AI」を使った。
RAGで参照する文書は、検索の精度を高めるため、過去の実績のうち定型的で標準的な事例を中心に選んだ。登録の方法も工夫した。1万文字を超える文書は、情報が抜け落ちないように、段落ごとに分割して登録する。また、業務の種別やファイルの種別などのメタデータも付けた。
典型的なAIへの質問はテンプレート化している。文書の要件確認、類似例の検索、文章校正、墨消し候補の提示など、業務に応じたテンプレートを用意した。質問の内容が標準化・均一化することで、職員ごとのばらつきを抑えられる。
画面は、ローコード開発ツール「Oracle APEX」を使って約2カ月で開発した。アジャイル方式で開発し、プロンプトテンプレートを職員が作成・編集する機能など、利用者の要望に合った機能を実装した。システム基盤は、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上に、専用のテナント環境として構築した。
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