JPX総研(本社:東京都中央区)は、売買審査システムのデータ基盤を刷新し、2026年9月28日に稼働させた。データベースに「Hitachi Advanced Database」(HADB)を採用し、データ処理時間を従来の約4分の1に短縮した。注文が集中するピーク時でも朝8時までに処理が終わるようになった。HADBを提供した日立製作所が2026年10月1日に発表した。
JPX総研は、公正な株式市場を維持するため、日々発生する大量の注文・約定データから相場操縦やインサイダー取引などの不公正取引の兆候を捉えて審査対象を抽出する売買審査システムを運営している。
近年では、市場の取引量増大の影響で処理が長時間化する傾向があった。取引終了後に注文・約定データを処理する夜間バッチは、通常の件数なら午前2時から3時ごろに終わる。一方、注文が集中した日は、業務部門が定める朝8時までの処理完了要件を超えるケースが目立ち始めていた。
今回、売買審査システムのデータ基盤を刷新し、2026年9月28日に稼働させた。データベースには日立製作所の「Hitachi Advanced Database」(以下、HADB)を採用した(関連記事:日立、高速データベース「HADB」に新版、IoTデータの分析を効率化)。
HADBは、データの要求順序とは無関係に非同期的にデータを処理する非順序型実行原理によって、ハードウェアの処理性能を引き出せるようにしたデータベースである。大量の注文が集中する状況でもCPUを動的に割り当てられる。
高速化にあたっては、従来と同じ処理結果を保ちながら、既存のSQLをHADBの特性に合わせて書き換え、最適化した。この結果、処理時間が従来比で約4分の1になった。注文が集中するピーク時でも朝8時までに処理が終わるようになった。
なお、SQLによる抽出結果は、売買審査業務を担う日本取引所自主規制法人に提供する。新システムでは、この方法も見直した。従来システムが備えていたWeb画面を廃止し、汎用的なCSV形式のファイルとして出力する方式に変更した。あえて機能を絞ることで、追加改修時の影響範囲を狭め、開発リードタイムを短縮する狙いである。
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