矢野経済研究所は2026年10月8日、国内におけるERPパッケージライセンス市場の調査結果を発表した。2025年の市場規模は前年比13.1%増の2020億7000万円だった。2026年は2279億6000万円(前年比12.8%増)、2021年から2026年までのCAGR(年平均成長率)は13.0%と予測する。2026年に入ってからも既存システムなどからの移行や刷新が続く見通しである。
矢野経済研究所は2026年5月から8月にかけて、国内におけるERPパッケージライセンス市場を調査した。ERPベンダーを対象に、同社の専門研究員による直接面談(オンライン含む)と文献調査を併用した。
2025年の市場規模(エンドユーザー渡し価格ベース)は前年比13.1%増の2020億7000万円で、伸びは2024年(前年比18.9%増)よりも鈍化した(図1)。インボイス制度への準拠が終わったことや、生成AIの導入を検討する動きが落ち着いたこと、Windows 10のサポート終了にともなう優先度の後退などが影響したと同社は見る。
図1:国内のERPパッケージライセンス市場における規模と推移と予測(出典:矢野経済研究所)拡大画像表示
一方、ERPパッケージライセンス市場は前年比10%を超える成長率を維持しており、成長トレンドは続いている。企業のIT投資意欲は衰えておらず、既存のシステムや保守期限が切れるシステムを入れ替えて時代に即した技術や設計、構造へと刷新する動きが強まっており、市場を押し上げていると同社は指摘する。
今後のAI活用を見据え、SaaSを導入するユーザー企業も多い。理由について同社は、Fit to standard(システムの標準機能に自社の業務を合わせる考え方)がユーザー企業に根付き始めていることに加え、Fit to standardを基本としながら、クリーンコア(ERP本体には手を加えず、独自の機能は本体の外側に実装して標準の状態を保つ考え方)が広がり始めたことを挙げる。
今後は、ERPとAIの連携が進むことにより、基幹システムは業務データの正確な記録・管理(System of Record)から、自律的に判断し企業を動かすブレイン(System of Intelligence)としての役割を担うと同社は見る。ERPは、蓄積された情報から未来の予測や提案を行い、次に何をすべきかの意思決定をこれまで以上に支援するシステムになると同社は見る。
2026年の市場規模は2279億6000万円(前年比12.8%増)、2021年から2026年までのCAGR(年平均成長率)は13.0%と予測する。2026年に入ってからも、既存システムなどからの移行や刷新が続く見通しである。AIエージェントを活用するための土台としてERPを新調・移行する動きが市場の成長を後押しすると同社は見ている。
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