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ワークデイ、AIエージェントを登録して従業員のように管理する「Agent System of Record」
2025年2月27日(木)日川 佳三（IT Leaders編集部）
ワークデイは2025年2月27日、AIエージェント登録・管理機能「Agent System of Record」を発表した。労働力のリソースとして、人間の従業員と同様にAIエージェントを管理できるようにする。これに合わせ、リリース済みの4種類に加えて、新たに4種類のAIエージェントのリリースを予定している。
ワークデイの「Workday HCM」は、クラウド型HCM（人事・人材管理）アプリケーションである。人事・給与管理などのほか、スキルに応じた人材配置などを支援するタレントマネジメント機能を備える。
業務要件に合わせたカスタマイズ開発のほか、人事業務を支援するAIエージェントの開発が可能である。Workday上で、チャット型のAIアシスタント「Workday Assistant」を介して、AIエージェントに仕事を依頼できる（関連記事：「AIは基のデータこそが差別化要因だ」─米ワークデイCTOに聞く「Workday AI」戦略）。
今回、AIエージェントを人間の従業員と同様に労働力のリソースとして管理する機能「Agent System of Record」（画面1）を発表した。Workday上で利用可能なAIエージェントを登録・管理する。どのような役割と機能を持ったエージェントが稼働しているのかが分かる。どの従業員が、どのAIエージェントの、どの機能を利用できるかといったアクセス権限を設定して制御できる。
画面1：「Agent System of Record」に登録したAIエージェント一覧画面（出典：ワークデイ）拡大画像表示
「労働力であるAIエージェントの管理はHR（人事）の領域。従業員とAIエージェントを共存させるためにシステムで管理する必要がある」（ワークデイ）ことからAIエージェントの登録管理システムを提供する（図1）。
図1：従業員とAIエージェントの関係（出典：ワークデイ）拡大画像表示
AIエージェントは、ワークデイが用意するもの以外に、ユーザー自身が開発プラットフォームの「Workday Extend」を使って開発できる。市場でAIエージェントを流通させるためのマーケットプレイス機能の提供も予定している（関連記事：ワークデイ、クラウド型の人事アプリ開発基盤「Workday Extend」を強化、外部システム連携を容易に）。
ワークデイは、Agent System of Recordの発表に合わせ、リリース済みの4種類のAIエージェントに加え、新たに4種類のAIエージェントを提供する予定であることをアナウンスした。表1は、提供済み/提供予定のAIエージェントの概要である。
| AIエージェント | 概要 |
|---|---|
| リリース済み | |
| リクルーターエージェント | 人材採用を支援する。求人票の作成、候補者の発掘、面接の日程調整といったタスクを自動化し、候補者のプロフィールに関する洞察を提供する |
| 経費管理エージェント |
経費申請の作成・提出、上長承認までを自動化する。例えば、出張中の従業員がカフェで会計をすると領収書のアップロードを促すメッセージを発する。システムはアップロードされた領収書とクレジットカード取引を照合し、自動的に経費明細を作成する |
| 後継者育成エージェント | 後継者育成計画プロセスを自動化する。マネジャーに後継者育成計画の更新を提言し、組織の中から後継者を推薦し、優秀な人材が次のポジションに備えるための育成計画を作成する |
| Workday最適化 エージェント | Workday上の業務プロセスを効率化する。ボトルネック、非効率性、ベストプラクティスからの逸脱を特定する。手動でのデータ入力や順序を逸脱したステップなどを検出・修正する |
| リリース予定 | |
| 契約管理エージェント | 企業の契約を定期的に分析し、非構造化データに埋もれがちな契約上の責任や改善の機会を指摘する |
| 給与管理エージェント | 間違った給与データを特定・更新する。監査ワークフローの自動化、洞察の提供、修正案の提案を行う |
| 会計監査エージェント | 監査プロセスを効率化し、リスクを減らすために散在するビジネス資料を読み取り、取引の監視、残高照合、内部統制の確認を行う |
| ポリシーエージェント | 企業が定める内部規定や方針などを継続的に読み取り、従業員やマネジャーが必要とする時にリアルタイムで情報を提供する |
