ラトビア共和国のZabbixの日本支社であるZabbix Japanは2022年10月7日、システム監視サーバーアプライアンス「Zabbix Enterprise Appliance」を新機種に刷新した。同年10月11日から販売する。刷新では、搭載しているシステム監視ソフトウェア「Zabbix」のバージョンを、現行版であるZabbix 6.0に向上させた。ハードウェアアプライアンス（全3モデル）と、仮想アプライアンス（全2モデル）で構成する。
Zabbix Japanの「Zabbix」は、オープンソースのシステム/ネットワーク監視ソフトウェアである（関連記事：システム監視ツール新版「Zabbix 6.0」、業務レベルでサービスの稼働状況を監視可能に）。専用エージェント（各種UNIX/LinuxやWindows）によるサーバー監視のほか、SNMP監視、リモートログイン（Telnet/SSH）とコマンド実行によるサーバー監視、ポート監視（ネットワークサービスの死活監視）など、各種の方法で対象システムを監視する。
写真1：フル機能版のハードウェアアプライアンス「ZS-7600/5600」の外観 Zabbixをプリインストールしたアプライアンスサーバー機が「Zabbix Enterprise Appliance」である（関連記事：Zabbix 5.0搭載アプライアンス、機能追加が容易な新エージェントを採用、写真1）。Zabbixインストールや初期設定だけでなく、監視データを格納するデータベースのパーティショニングやSNMPトラップの設定など、必要なミドルウェアを設定済みの状態で提供する。今回、アプライアンスが搭載するZabbixのバージョンを、現行版のZabbix 6.0にした。
Zabbixの現行版である6.0では、監視機能を強化している。例えば、通常とは異なる状態をAIで検知する機能を追加している。静的な閾値での障害検知だけでなく、過去のデータのトレンドを利用した動的な方法で障害を検知する。また、ビジネスレベルで捉えた“サービス”の単位で稼働状況を監視できるようになった。「業務担当者が、日々の業務の稼働状況を把握し、期待通りに動いていない根本原因を分析し、業務のSLAを監視する」といった使い方が可能だとしている。
上位モデルの監視対象は約1000システム
新機種は、ハードウェアアプライアンスにおいて、ハードウェアスペックも高めている。旧機種よりもCPU、メモリー、ストレージのスペックを強化している。また、旧機種のユーザーは、カスタマーポータルを介してOSソフトウェアを新機種と同等の機能へとアップデート可能である。
管理マネージャ機能を含んだフル機能のZabbixを搭載したモデルとして、1Uラックマウント大の「ZS-7600」（49万8000円、税別、以下同）と「ZS-5600」（29万8000円）を用意した。ZS-7600は中・大規模向けで、監視対象は約1000システム。ZS-5600は中小規模向けで、監視対象は約200システムである。
これとは別に、監視プローブ専用のZabbixプロキシを搭載したモデルとして、手のひら大の「ZP-1600」（9万8000円）を用意した（写真2）。
写真2：監視プローブ専用のハードウェアアプライアンス「ZP-1600」の外観 仮想アプライアンス版は、仮想サーバー上にOSとZabbixをインストールした仮想マシンイメージをOVA（オープン仮想化フォーマット）ファイルの形式で提供する。Zabbixのサポートサービスに加入済みのユーザーは、ダウンロードして無料で利用できる。提供する機能に応じて、フル機能の「ZS-V600」と、監視専用の「ZP-V600」を用意している。
