UiPathは2026年11月6日、業務自動化のための業務定義書(PDD)とシステム定義書(SDD)を自動生成するツール「UiPath Cartographer」の提供を始めた。複数の社内文書に分散して存在する業務の手順やルールを整理して両文書にまとめる。資料だけでは分からない点はツールが画面上でユーザーに質問して聞き出す。こうして生成したシステム定義書は、同日一般提供を始めた「UiPath for Coding Agents」がAIエージェントを実装する際の入力に使える。
UiPathの「UiPath Cartographer」は、業務手順などが分かる社内文書(Excelの業務フローやWordのポリシー文書など)をアップロードすると、これらをもとに業務自動化のための業務定義書(PDD)をWord形式、システム定義書(SDD)をMarkdown形式で生成するツールである(図1)。
図1:業務定義書とシステム定義書を自動生成するツール「UiPath Cartographer」の位置づけ(出典:UiPath)拡大画像表示
生成したシステム定義書を、コーディングAIエージェントとの連携機能「UiPath for Coding Agents」の入力とすることで、業務自動化フローの実装まで自動化できる(関連記事:UiPathが業務自動化基盤を刷新、コーディングAI連携やオンプレミスAI実行を追加)。
アップロードした資料だけでは分からない情報は、ツールが画面上でユーザーに質問して聞き出す。現状の業務をまとめるだけでなく、AIを活用した将来の業務の姿もまとめる。業務定義書には、KPIに加え、タスクごとにAIエージェントやRPAによる実行、人の確認などの割り当ても盛り込む。
UiPathでは、業務プロセスを運用しながら改善するため、4段階のサイクルを回すことを提唱している。
- UiPath Cartographerを使い、業務プロセスを定義し、PDDとSDDを作る
- UiPath for Coding Agentsを使い、自動化のワークフローを実装する
- UiPath Maestro(BPMN/DMNによるワークフロー設計・実行基盤)が、AIエージェント、ロボット、人の作業をつないだ自動化ワークフローを実行する
- Decision Ledger(今後提供予定の製品)が、運用中に人が下した判断と理由を記録し、定義の改善に使う
UiPathが以前手がけた自動化フローの開発プロジェクトは、動作するものを作るまでに約3カ月かかった。手戻りが発生し、設計に時間を要したからである。これに対して、UiPath CartographerとUiPath for Coding Agentsを適用したところ、現状整理と設計に約2週間、設計確定からPoCの開発に約2週間、合わせて約1カ月に短縮できた(図2)。
図2:UiPath CartographerとUiPath for Coding Agentsの効果(出典:UiPath)拡大画像表示
UiPath Cartographerを使った業務プロセスの定義は、白紙から作るだけでなく、構築済みのものも利用できる。業界・部門別の業務プロセスを製品化した「UiPath Solutions」の対象業務(融資の組成、医療保険請求の審査、調達から支払いまでなど)ごとに業務の定義を作成済みとした「Prebuilt Maps」を用意している。
業務プロセス定義集「Process Atlas」も組み込んでいる(図3)。医療請求、生産逸脱調査、決済処理・例外対応、損害保険請求管理など、業界ごとのプロセスを収録している。標準的なポリシーやルールを含んでおり、自社の業務に合わせて調整できる。
図3:UiPath Cartographerに組み込んでいる業務プロセス定義集「Process Atlas」の種類(出典:UiPath)拡大画像表示
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