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[新製品・サービス]

SMFL、ユーザーごとの業務アプリケーションを生成AIで高速に開発してSaaS型で提供

従来手法なら6人で約半年かかる開発を1人が1週間で完了

2026年11月5日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

三井住友ファイナンス&リースは2026年11月4日、業務アプリケーションを生成AIで高速に開発してSaaS型で提供する「企業向けパーソナライズ型SaaS」の提供を始めた。開発には、米Replitが提供するクラウド型の開発環境「Replit」と、三井住友ファイナンス&リースが整備した開発手法「エンタープライズバイブコーディング」を使う。同社による検証では、従来の手法なら6人で約半年かかる規模の開発を、1人が1週間で完了させた。

 三井住友ファイナンス&リース(SMFL)の「企業向けパーソナライズ型SaaS」は、ユーザーごとの要件に合わせた業務アプリケーションを生成AIで高速に開発し、SaaS型で提供するサービスである。SMFLのFDE(Forward Deployed Engineer)がユーザーの現場に入ってシステムを開発する。プロトタイプを作って試し、フィードバックをもとに修正を重ねて仕上げる。

図1:業務アプリケーションを生成AIで高速に開発してSaaS型で提供する「企業向けパーソナライズ型SaaS」の構成要素(出典:三井住友ファイナンス&リース)
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 開発には、バイブコーディングでアプリケーションを開発できるクラウド型の開発環境「Replit」(米Replitが提供)を使う(図1、記事末の写真1)。「こんな画面にしたい」といった要求を自然言語で伝えるだけで開発できる。アプリケーションが扱うデータは、モノの情報を管理するクラウド型データベース「assetforce」(SMFLが提供)で管理する。

 一般的なSaaSは、企業固有の画面や機能に合わせた個別のカスタマイズが難しい。一方、エンジニアが要件を整理してコーディングする従来の個別開発は、実装まで時間と工数がかかる。SMFLは、これらを解決する策として、個別開発にReplitによるバイブコーディングを適用する。

 SMFLは、バイブコーディングを企業システムの開発に適用するための開発手法「エンタープライズバイブコーディング」を提唱している。トークン消費コストをコンテキストの分割で抑えるほか、AIが生成したコードの品質を検証によって担保する。

 生成AIは、同じ指示を与えても毎回同じコードを返すとは限らない。そこでSMFLは、生成AIが書いたコードを、品質管理エージェントが仕様と条件に基づく決定論的なテストで検証する。決定論的なテストでは、同じコードに同じ条件を与えれば、何度実行しても同じ結果になる。また、最終判断をAIに委ねず、SMFLのエンジニアが確認して品質を担保する。

 SMFLは、Replitとエンタープライズバイブコーディングを、まずは自社の開発に適用した。

 1つは、固定資産の会計・税務処理を担う総合資産管理サービスの作り直しである。このサービスはSMFLが自社で使い、2004年からユーザーにも提供している。200超の画面を持つ大規模なシステムで、会計に直結するため、計算結果の正しさと根拠、検証の再現性が求められる。

 まず必要な画面を作り、画面の機能ボタンごとに動作を決めて、複数人がボタン単位で並行して開発した。品質管理エージェントによる検証やエンジニアの確認を適用した。案件を定義したあとの開発とテストの期間を、従来手法の3分の1に縮められる見込みである。

 もう1つは、assetforceの画面と機能をユーザーの要求に合わせて開発する用途である。資産の取得から利用、メンテナンス、処分までを管理する業務フローを構築し、業界や企業に固有の画面と機能をReplitで開発した。従来の個別開発では6人で約半年を要すると見込んだ作業を、SMFLの担当者1人が1週間で完了させた。

 今後は、Replitのライセンス提供や企業向けトレーニングなども始める。

写真1:三井住友ファイナンス&リース代表取締役社長の今枝哲郎氏(写真左)と、米Replit共同創業者兼CEOのアムジャド・マサド氏(写真右)
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