インターネットイニシアティブ（IIJ）は2023年5月17日、クライアントPC調達代行サービス「IIJ PC展開支援ソリューション」に新メニューを追加した。IT部門に代わって導入・設定するサービスである。PCの調達からキッティング、アプリケーションのインストール、機器の配送・設置、起動・ログイン確認までワンストップで提供する。米マイクロソフト（Microsoft）の「Windows Autopilot」を活用している。
インターネットイニシアティブの「IIJ PC展開支援ソリューション」は、エンドユーザーが使うクライアントPCを、IT部門に代わって導入・設定するサービスである。PCの調達からキッティング、アプリケーションのインストール、機器の配送・設置、起動・ログイン確認までワンストップで提供する。PCは提供機器ラインアップから選ぶ。購入だけでなくレンタルも選択できる（関連記事：IIJ、クライアントPCの調達・キッティング・設置・廃棄を代行する「IIJ PC展開支援ソリューション」）。
図1：「Windows Autopilot」を活用したPCキッティングメニューの概要（出典：インターネットイニシアティブ）拡大画像表示
今回、Windows Autopilotを活用したキッティングメニューを追加した（図1）。Windows Autopilotは、Windowsデバイスの初期セットアップをクラウド経由で自動的に実施可能な“ゼロタッチ”型のキッティングツールである。新しいクライアントPCをネットワークに接続するだけで、必要な設定やアプリケーションのインストールなどを自動で実施する。
あらかじめユーザーのプロファイル情報とハードウエア情報をクラウド上に設定しておくと、新しいPCをネットワークに接続した際に、必要な設定やアプリケーションのインストールなどを自動で実施する。従来の手動によるキッティングやクローニングによるキッティングが不要になる。エンドユーザーは、ログイン後すぐに利用を始められる。
一方、Windows Autopilotの利用にあたっては、特定の「Microsoft 365ライセンス」が必要になることに加え、ユーザーアカウントを「Azure AD」で管理していることや、デバイス（PC）をエンドポイント管理サービス「Microsoft Intune」で管理していることといった前提条件がある。環境の構築にあたり、ナレッジやノウハウが必要になる。
IIJ PC展開支援ソリューションは、Microsoft 365のライセンス提供、Azure ADの構築支援、Microsoft Intuneでのデバイス管理運用のスタートアップ支援までをカバーし、Windows Autopilotを利用したゼロタッチキッティングの環境構築をワンストップで支援する。導入後のWindows Autopilot運用まで支援する。
なお、Microsoft Intuneでのデバイス管理については、2022年9月に提供を始めた「IIJ EMM活用支援ソリューション for Microsoft」を組み合わせることで、Microsoft Intuneの煩雑な構成プロファイルの設定やポリシーの調整といった運用を支援する。
現在、PCのキッティングは1台ずつ手動で行うか、PCのマスターイメージを作成して各PCにコピーするキッティング方式（クローニング）が主流。「しかし昨今、多くの企業でデジタル化が進み、SaaSなどクラウドサービスの利用が増えるにつれて、利用デバイスや業務利用のアプリケーションは多様化し、部署ごと、社員ごとに利用アプリケーションや必要な設定が異なるなど、PCのキッティング作業は煩雑化している。クローニング方式でもPCのマスターイメージの数が増え、その管理も限界に達しているといった状況も見られる」（同社）。
