[デジタルビジネス時代の到来]

「破壊的な変化が日常に」
そんな時代を数字で理解する

2015年3月20日(金)田口 潤(IT Leaders編集部)

ソーシャル、モバイル、クラウド、ビッグデータ。頭文字から「SMBC」と呼ばれるこれらの技術は、デジタルビジネス時代を象徴する。一方、5万倍、100%超、500億、2045…といった数字もある。これらはデジタルビジネス時代を理解するための“キーナンバー”だ。

数字3 500億台
──2020年にネット接続される機器

 身近なところでは、照明や空調、エレベータ、自動車。あるいは電車・旅客機や医療機器、発電機…。これらの装置や機器がインターネットに接続されることを、IoT(Internet of Things=モノのインターネット化)と呼ぶ。2020年までにその台数が500億台に達すると見られている。その経済効果は3兆ドルに達するという数字がつく。

 例えば、自分のスマートフォンや身につけている情報機器から空調や照明を制御できる。壁にあるスイッチやリモコンとはおさらばだ。言い換えれば、部屋に入れば自動的に照明がオンになり、室温は好みに設定される。意識する必要がない。たいした話ではないように思えるが、こうしたことが人、組織、企業、社会のあらゆるところで起きる。世の中は大きく変わるはずだ。

数字4 2045年
──人工知能が人間の知能を超える時

 コンピュータは一見、知的な処理をしているように見えても、所詮は人間が開発したプログラム(ソフトウェア)に沿って処理をこなしているに過ぎない。どんなに機能が増えようと、性能が向上しようと、人間のように思考したり、発想したりすることはできない──。現時点では、これは正しいが、いつまでもそうだとは限らない。

 冒頭で見たようにコンピュータは加速度的に進歩している。人間の脳を真似た「ディープ・ラーニング」と呼ばれる仕組みの研究開発が進む。結果として、20年後の2045年頃には、コンピュータが人間の知能を超えるという予測がある。これまでの科学の延長線上では不可能だったことが突然、可能になる=技術的にそれ以前とは異なる「特異な状態」になる。これは「シンギュラリティ(特異点)」と呼ばれる。

 現実にコンピュータが人間を超えられるかどうか現時点では不明だが、人間にしかできないことを置き換える方向に技術が向かっていることは確かだ。それを取り入れ、事業を進化させられるかどうかは、大きなテーマである。

数字5 2億7000万人
──米Amazon.comの顧客数

 1997年、米Amazon.comのアクティブな顧客数は150万人だった。2年後の1999年には1000万人を超え、2009年には1億人を超えた。2015年には3億人を超えることは間違いない。売上高も年率30%前後の高い成長を続ける。2004年の69億2000万ドルから、2014年には889億9000万ドルに達した。従業員数は13万2000人(2014年7月時点)。ちなみに日本事業の売上高は2014年が79億1200万ドル(120円で計算すると9494億4000万円)である。

 日本最大の小売業であるセブン&アイ・ホールディングスは4兆9000億円だがら、それを軽く上回る。一方で世界最大の小売業である米Wal-Mart Storesの4856億5000万ドル(2015年1月期)とは比べるべくもない。今後も年率30%という高成長を維持できる保証もない。だとしてもAmazonの成長はネットを含めた小売業にとっては脅威だろう。

進化する新ICTを事業に生かすために

 ほかにも「Googleへの検索数は1日あたり30億件」「2020年に人類が生み出すデータ量は20ゼッタバイト(ゼッタバイトは10の21乗)に達する」といった数字もある。何か大きな変化が起きているのは間違いない。

 となれば問題は、この変化にどう対応し、あるいは自らの事業に生かせるのか、である。それができなければ変化の波に飲み込まれかねない。よく言われるように、“破壊的な変化が日常(Disruption is New Normal)”になる中で、破壊する側に回るか、破壊される側に回るかは大違いだ。そして破壊する側に回るには、それなりの手立てが必須になる。進化するテクノロジーを取り込めるようにし、経営や事業に貢献、あるいはそれらをリードする情報システムだ。

 当コーナーにある一連のコンテンツは、そのヒントや解を示す目的で企画した。著者はすべて富士通の技術者であり、主要な考え方や技術、実際のソリューションなども富士通のものに基づいている。しかし、展開される考え方は普遍的なものであり、富士通とは直接関係のない方や企業に参考になることを確信している。
 

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