セールスフォース・ジャパンは2024年7月12日、業種に特化したSalesforce CRMの最新サービスとして、製薬・医療機器製造向けの「Life Sciences Cloud」を提供開始したと発表した。生成AIを活用した臨床試験の管理機能などを備える。同年6月には公共機関向けの「Public Sector Solutions」を提供開始している。
セールスフォース・ジャパンは、業種に特化したSalesforce CRMの最新サービスとして、製薬・医療機器製造向けの「Life Sciences Cloud」を提供開始した。生成AIを活用した臨床試験の管理機能などを備える。事前スクリーニングと適格性基準に基づいて患者を評価することで、マッチング時間の短縮を図れるとしている。
図1：業種に共通する機能を標準で提供することによってカスタマイズ工数を減らす、業種特化型CRMの概要（出典：セールスフォース・ジャパン）拡大画像表示
セールスフォースは現在、業種特化型のSaaSに注力している。これまでに、金融、製造、消費財、自動車、通信、メディア、教育、ヘルスケア（医療・保険）などに向けて、それぞれに特化したCRMを提供してきた。2024年6月には、公共機関向けCRM「Public Sector Solutions」の提供を始めている（図1）。
業種特化型のCRMでは、業界ごとのユーザー企業がそれぞれカスタマイズしてきた機能のうち共通的要素のある機能を、業界の標準機能として製品に反映している。例えば、金融向けの「Financial Services Cloud」では、リテールバンキングや住宅ローンなど金融サービスごとに19のデータモデルを用意し、カスタマイズの工数を減らしている。
「業種によって顧客やビジネスモデルが異なっている。金融の顧客は法人や富裕層、消費者であり、顧客との持続的関係が重要である。一方、製造の顧客は販売先と取引先で、販売計画、実行、サプライチェーンの適正化が重要になる」（セールスフォース）
