ビッグデータやモバイル、ソーシャル、クラウドといったトレンドは企業にどんな影響を及ぼすのか。ガートナーは、これらをきっかけとした新たな潮流「デジタル・ワールド」の到来を予見する。ガートナーの鈴木雅喜リサーチディレクターに、「デジタル・ワールド」の本質を聞いた。
-「デジタル・ワールド」の“デジタル”とはどんな意味?
以前より語られている「デジタル」とは違う。新しい意味を持つ言葉だと解釈してほしい。
企業はこれまで、会計や生産、メールなどのシステムを構築してきた。主な目的は、業務の効率化、コスト削減、現場の見える化などである。企業の課題を解決することを目的に、企業ITは成長してきた。
一方、企業ITを離れて外に目を向けると、さまざまなテクノロジが台頭している。電車の中ではスマートフォンを使って情報にアクセスし、ソーシャルは国や政治に影響を及ぼすほど浸透している。GoogleやAmazonなどのクラウドベンダーやビッグデータは、テレビで当たり前のように飛び交っている。
これまでの企業ITとは別のところで、テクノロジを使った潮流が起きている。こうした企業ITとは異なる世界を「デジタル・ワールド」と表現している。
-企業ITとの関係は?
ビッグデータやモバイルなどの登場を契機に、社会が大きく変わろうとしている。しかし企業ITは社会の変革に追随できずにいるのが現状だ。従来の企業ITが果たす役割を踏襲するだけでは、社会が必要とするものとのかい離が大きくなるばかり。事業を成長させるためには、社会の変革に向けて企業も変わらなければいけない。そのためには、コンシューマを中心に広がっているテクノロジを自社の競争力にどう結び付けるのかを考えるべきだ。企業ITとは別の役割を果たすための仕組みを模索することが必要である。
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