「すべてのビジネスがデジタルに」というメッセージを発信するアクセンチュア。テクノロジの進化が加速することで、事業はデジタルへ志向するという。アクセンチュアの立花良範マネイジング・ディレクターに、デジタル化の背景とビッグデータ活用の勘所を聞いた。
昨今のテクノロジの進化は、“ビジネスをデジタル化”へと導く。例えば顧客向けのマーケティングでは、これまで「集団」を対象に施策を打ってきた。しかしビッグデータ活用が実用化し、消費者の行動を詳細に把握できるようになったことで「個」への施策を講じられる。集団の中から、顧客1人ひとりの振る舞いや意図、属性などを捉えられるのがデジタル化の本質だ。
企業はデジタル化が自社に何をもたらすのかを模索することが必要である。そのためにはインメモリーや分散処理などのデジタル化を支えるテクノロジに目を向け、どんな施策が実現可能か評価できるようにしたい。「業務効率化」や「コスト削減」などの価値を模索するのは必ずしも間違いではない。しかしこれらは従来の企業ITを駆使すれば成し得た。ビッグデータやモバイル、ソーシャルなどのトレンドから、事業を成長させるための価値やヒントを見つけ出してほしい。
ビッグデータを使って新たな価値を探るなら、取り組むアプローチに注意したい。企業の中には、「社内に蓄積するデータを分析すれば、何かしらの価値が見つかるかも」と期待を寄せるケースが少なくない。確かに膨大なデータを適切に分析すれば、一定の兆候を読み取れるだろう。
しかしこれからのビッグデータ活用は、目的ありきで取り組むべきだ。経営課題を解決する、事業目標を達成するなどの具体的なゴールを掲げ、その手段としてビッグデータを活用できるようにしたい。経営課題を解決するために必要なデータを洗い出し、もし社内に該当データがなければ、社外から調達する仕組みを検討すべきだ。「データがないから価値を創出できない」では済まされない。社外を含めて、必要なデータを取得/収集するプロセスを考えなければならない。
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