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AI映像解析で製造現場のムダを可視化する「CYTIS Insight for Worker」─パナソニック コネクト

古野電気の三木工場が先行導入、作業工数を36%削減

2025年7月10日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

パナソニック コネクトは2025年7月9日、物流・製造現場カイゼン支援システム「CYTIS Insight for Worker」を提供開始した。AIを用いた物体追跡技術を使い、人・モノの動きをから作業のボトルネックを可視化する。ボトルネックの原因を把握しやすくなる。古野電気の三木工場が先行導入し、生産現場の工数を最大で36%削減したという。

 パナソニック コネクトの「CYTIS Insight(サイティス インサイト)for Worker」は、物流・製造現場のカイゼンを支援するシステムである。作業の実態を把握することが困難な工場・倉庫内において物体追跡技術を活用。作業者がどのような動きをして、作業のどこにムリ・ムダ・ムラがあるのかを映像化・データ化し、作業効率の改善につながる。

 システムの導入にあたっては、業務内容のヒアリングを基に現状の課題や導入までに必要な対応を整理する。次に、サービス導入に向けた事前検証を行い、実現可能性や有効性を検証する。「ユーザーが実現したい内容や導入規模、現在の状態に合わせて、具体的なスケジュールや詳細を提案する」としている。

写真1:「CYTIS Insight for Worker」を用いて人・モノの動きを検知(出典:パナソニック コネクト)
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 写真1「CYTIS Insight for Worker」を用いて人・モノの動きを検知している様子だ。画像認識AIなどのセンシング技術と物体追跡技術を活用し、現場の人やモノの動きを24時間365日体制で自動的に検知・記録。設定したエリア内での滞留時間やエリア間の移動傾向を把握可能になる。さらに、特定エリアでの滞在や特定の動きをトリガーに作業の開始・終了を検知し、各現場での作業時間を計測する。

 作業実態を可視化したダッシュボードを提供する。人・モノの動きに関するデータと、エリア情報や設備稼働データなどをダッシュボードに集約・可視化することで、現場の状況を多角的に分析可能になる。図1は、物流ラインにおける梱包作業の例である。設定した標準作業時間から乖離した遅延作業を俯瞰的かつ直観的に把握できる。

図1:物流ラインにおける梱包作業時間を可視化(出典:パナソニック コネクト)
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 また、録画映像との連携により、ダッシュボード上で課題を特定した箇所や、さらに詳細な分析が必要な作業状況について、クリック1つで該当時間帯の録画映像にアクセスできる(画面1)。実際の作業の様子を映像で確認することで、データだけでは把握しきれなかった課題の真因を掘り下げて特定。憶測ではなく事実に基づいた改善策の検討を促進する。

画面1:ダッシュボードから録画映像を確認しているイメージ(出典:パナソニック コネクト)
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 先行事例として、古野電気の三木工場(兵庫県三木市)を紹介している。同工場では業務が生産計画どおりに進まず、改善のために作業時間を計測する手作業に時間がかかっていた。2021年5月にCYTIS Insight for Workerを導入した後は、作業時間を常に計測して可視化し、毎日の振り返りや異常値の確認を実施。生産現場の工数を最大36%削減したという(写真2)。

写真2:古野電気 三木工場における「CYTIS Insight for Worker」の活用の様子(出典:パナソニック コネクト、古野電気)
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