愛知医科大学病院は、外来患者に待ち人数や診療場所を正確に伝える措置として、電子ペーパー内蔵のモバイル端末2500台を使った案内システムを構築した。導入を支援した富士通が2014年5月27日に発表した。
怪我や体調不良で病院を訪ねた時、待合スペースに多くの外来患者がいて、待たされることに辟易したことのある人は少なくないだろう。大きな病院ともなると、どの診療室に赴くべきかが分からず、案内体制の不備に悩まされることも多々ある。こうした患者の不満を解消する一方で、病院側の対応負荷も限り無く抑えたい。──最新ICTの活用で課題解決に臨んだ好例が、愛知医科大学病院だ。
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同院は2014年5月9日に新病院を開院。それに合わせて導入したのが、「外来患者案内システム」だ。外来患者に5インチの電子ペーパー機能を内蔵したハガキ大の無線携帯端末「NAVIT」(写真)を貸し出す。その画面上には、行き先や待ち人数などの情報を表示するほか、病院スタッフが自由にメッセージを送信することも可能。患者は“確かな”情報を参照でき、受診までの時間を有効活用したり、迷うことなく目的の場所に行ったりすることができる。
携帯端末は従来から導入している電子カルテシステムとも連携する。患者の識別バーコードを携帯端末の画面に表示する機能を装備。検査や会計を担当するスタッフは、患者から端末を受け取って、氏名を確認した上で、識別バーコードを電子カルテシステムのバーコードリーダーにかざすだけで受付業務を遂行できる。業務のスピードアップと正確性を高めるための措置だ。
「NAVIT」貸出は、初回に限り、初診手続き窓口で受け取る必要があるが、再診時は自動貸出装置でセルフで手にすることができるようにしている。本体の大きさは146mm×96.5mmで、重さは約139g。週に1度の充電で利用できるという。導入台数は2500台。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 愛知医科大学病院 |
業種 | 病院 |
導入システム | 外来患者案内システム |
導入目的 | 患者に待ち時間の目安や受診場所を正確に案内する |
導入時期 | 2014年5月 |
主な利用製品 | 電子ペーパー内蔵の携帯端末「NAVIT」など(富士通) |